【世界の騎手紹介 Vol.10】ドナカ・オブライエン
2018年08月08日 14:00
ドナカ・オブライエン元騎手は1998年7月22日、アイルランド生まれ。父はアイルランドで22回(1997年、1999年~2019年。ホースレーシングアイルランドの統計による)、イギリスでも6回チャンピオントレーナーに輝くエイダン、母は元調教師(1992年/1993年のアイルランド障害チャンピオントレーナー)のアンマリー。
4人きょうだいの末っ子で、長男のジョセフは19歳だった2012年にキャメロットでG1英2000ギニー、G1英ダービーを制し、2012年、2013年と2年続けてアイルランドのチャンピオンジョッキーに輝いた元騎手(現調教師)。長女サラはアマチュア騎手、次女アナはプロ騎手で、後者は2017年のG1英ダービーではジアンヴィルとのコンビで女性騎手として史上3人目の出場を果たした(17着)。
勝利は16歳だった2014年9月7日の愛ダンドーク競馬場。父が管理するクォーツで挙げた。その後も順調にキャリアを積み、2016年にはG1モイグレアスタッドSを兄ジョセフの管理馬イントリケイトリーで制してG1初制覇を果たすとともに、48勝を挙げてアイルランドの見習い騎手チャンピオンの座に就いた。2017年には父エイダンの管理馬ハッピリーで制したG1モイグレアスタッドSを含む62勝を挙げてアイルランドの総合ランキングで3位に躍進した。
大きくブレイクしたのは2018年。5月のG1英2000ギニーをディープインパクト産駒の日本産馬サクソンウォリアーで制すと、6月にはG1英オークスをフォーエバートゥギャザー、G1愛ダービーをラトローブで優勝(サクソンウォリアーとフォーエバートゥゲザーは父エイダン、ラトローブは兄ジョセフの管理馬)。兄と同じく19歳という若さでイギリスとアイルランドのクラシックに優勝した。またアイルランドでは111もの勝ち星を積み重ねて初のリーディングタイトルを手中に収めた。
翌2019年もG1英2000ギニーをマグナグリーシア、G1英チャンピオンSをマジカルで制すなど活躍。アイルランドでも111勝を挙げて2年連続のチャンピオンに輝いたが、11月25日に自身のツイッターで騎手引退を発表。調教師として新たな一歩を踏み出すことになった。
近年のG1勝ち(2019年までは騎手としてのもの)
2019年
英チャンピオンS(イギリス):マジカル
英2000ギニー(イギリス):マグナグリーシア
2018年
フューチュリティトロフィー(イギリス):マグナグレシア
ミドルパークS(イギリス):テンソブリンズ
チェヴァリーパークS(イギリス):フェアリーランド
愛ダービー(アイルランド):ラトローブ
英オークス(イギリス):フォーエバートゥギャザー
英2000ギニー(イギリス):サクソンウォリアー
2017年
モイグレアスタッドS(アイルランド):ハッピリー
2016年
モイグレアスタッドS(アイルランド):イントリケイトリー
文:秋山 響(TPC)