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【世界の騎手紹介 Vol.19】フローレン・ジェルー

2018年12月12日 15:00

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母国であるフランスからアメリカに移住し、才能を開花させたトップジョッキー。2016年から2018年にかけてはガンランナーとのコンビで数々のビッグレースを手中に収めた。

フローレン・ジェルー騎手は1986年7月16日にフランスのノルマンディーで生まれた。父は騎手、調教師だったドミニク。13歳でフランスの騎手学校に入学し、17歳だった2004年5月にロンシャン競馬場で初勝利。翌2005年には43勝を挙げて見習い騎手チャンピオンの座に就いた。

翌年も44勝をマークして全体の18位に入ったが、フランス出身で、アメリカで厩舎を開くパトリック・ビアンコーヌ調教師(フランス時代にオールアロング、サガスで凱旋門賞連覇。ほかにG1英チャンピオンSや日本で富士Sに勝った名牝トリプティクなどを管理)の誘いもあって、2007年初頭に渡米(カリフォルニア)した。

その後は、ビザの問題や落馬で負傷したこともあって、ヨーロッパに戻っていた時期もあったが、2008年にアメリカのイリノイ州シカゴで腰を据えて騎乗をスタートすると、2010年9月にはアーリントンパーク競馬場のG3パッカーアップSをデードベイブで制して重賞初制覇を果たした。

初のG1勝ちは2014年11月にワークオールウィークで制したG1BCスプリント。ケンタッキー州での騎乗も増えた2015年にはG1BCターフスプリントをモンゴリアンサタデー、G1BCジュベナイルフィリーズターフをキャッチアグリムス、G1アーリントンミリオンをザピッツァマンで制すなど5つのG1を制して大きく飛躍した。

その後、2016年にはガンランナーと巡り会ってG1クラークHに優勝するなど全部で10のG1に優勝すると、2017年にはガンランナーとのコンビでG1BCクラシック、G1ホイットニーS、G1ウッドワードS、G1スティーブンフォスターH、さらに2018年のG1ペガサスワールドCとビッグレースを次々に制覇。そのほか、2018年にはモノモイガールでG1BCディスタフやG1ケンタッキーオークスなどに優勝と、大レースで大きな存在感を放っている。

近年のG1勝ち
2019年
シューメーカーマイルS(アメリカ):ボロ

2018年
クラークH(アメリカ):レオフリック
BCディスタフ(アメリカ):モノモイガール
CCAオークス(アメリカ):モノモイガール
ハイランダーS(カナダ):ロングオンバリュー
エイコーンS(アメリカ):モノモイガール
ケンタッキーオークス(アメリカ):モノモイガール
アッシュランドS(アメリカ):モノモイガール
ペガサスワールドC(アメリカ):ガンランナー

2017年
BCクラシック(アメリカ):ガンランナー
ウッドワードS(アメリカ):ガンランナー
ホイットニーS(アメリカ):ガンランナー
スティーブンフォスターH(アメリカ):ガンランナー
ラトロワンヌS(アメリカ):ビッグワールド

2016年
クラークH(アメリカ):ガンランナー
E.P.テイラーS(カナダ):アルズギャル
スピンスターS(アメリカ):アイムアチャッターボックス
ナタルマS(カナダ):ビクトリートゥビクトリー
ビバリーD.S(アメリカ):シーカリシ
セクレタリアトS(アメリカ):ビーチパトロール
デラウェアH(アメリカ):アイムアチャッターボックス
ベルモントオークスS(アメリカ):キャッチアグリンプス
ユナイテッドネイションズS(アメリカ):ワールドアプルーバル
オグデンフィップスS(アメリカ):カヴォーティング

文:秋山 響(TPC)