【世界の馬主紹介 Vol.12】チェヴァリーパークスタッド
2019年12月26日 15:00
イギリスを代表する馬主・生産者。ニューマーケットにあるチェヴァリーパークスタッドを拠点とする。
チェヴァリーパークスタッドは1000年以上も前から馬の生産が行われていた土地にあり、その土地は古くはイングランド王が所有していたこともある。またハリー・マカーモントが所有していた時代には英三冠馬アイシングラスもここで生まれた。食品事業で財をなしたデイヴィッドとパトリシアのトンプソン夫妻がこの牧場を手にしたのは1975年のことで、1977年には成功種牡馬ミュージークボーイを導入している。
1992年のグランドナショナルをパーティーポリティクスで勝ったことはあったが(パトリシア名義)、所有馬による最初のG1勝ちはゲイギャランタで勝った1994年のチェヴァリーパークS。ゲイギャランタは同年の欧州最優秀2歳牝馬にも選ばれた。1996年には自家生産馬のピヴォタルでG1ナンソープSに優勝。のちにピヴォタルは英愛のオークスを勝ったサリスカ、G1英チャンピオンSのファー、G1ドバイワールドCのアフリカンストーリーを送り、チェヴァリーパークスタッドを支えるトップ種牡馬となった。
これまでの代表馬といえるのはG1英1000ギニー、G1コロネーションS、G1ロッキンジSなどを制して、2003年には欧州最優秀3歳牝馬に輝いたロシアンリズム。そのほか、G1仏オークスを勝ったコンフィデンシャルディ、G1エクリプスSやG1ロッキンジSなどを制したメディチアン、G1BCフィリー&メアターフのクイーンズトラスト、G1クイーンエリザベス2世Sのパースウェイシブなどが代表的な所有馬(ラシアンリズムとパースウェイシブ以外は自家生産馬)。
現在はイギリスで70頭ほどの現役競走馬を所有し、牧場には前記ピヴォタルや欧州最優秀古馬ユリシーズを含む6頭の種牡馬と100頭を超える繁殖牝馬を繋養している。
近年のG1勝ち
2019年
ファルマスS(イギリス):ヴァレイシャス
2018年
なし
2017年
クイーンエリザベス2世S(イギリス):パースウェイシブ
2016年
BCフィリー&メアターフ(アメリカ):クイーンズトラスト
*単独名義の所有馬のみを掲載
文:秋山 響(TPC)