2歳12月のデビューから前走の天皇賞（秋）まで、芝2000mばかり12戦の英才教育を受けてきたジャックドール。着実に素質を開花させ、4歳で重賞初制覇にたどり着いたスペシャリストが、悲願のG1制覇に向け香港カップで三度目の正直に挑む。

これまでの12戦で7勝、2着2回の9連対。着外の3戦も掲示板は確保し、そのうち未勝利勝ちから臨んだダービートライアルのプリンシパルS、G1初挑戦の大阪杯は敗戦も許容できるものだろう。1 戦だけ、前走の天皇賞は直前の札幌記念でねじ伏せたパンサラッサに大逃げを許す一方、自身は離れた集団の中で不向きな瞬発力勝負に付き合う格好となり、追撃も及ばず脚を余すような格好で4着という消化不良の内容に終わった。

重賞初制覇の金鯱賞ではレコード駆けの逃げ切りでレイパパレを完封しながら、続く大阪杯はレイパパレに逆転されて5着。この香港Cでも対戦予定のパンサラッサとレイパパレには、前哨戦で完勝するものの本番では逆襲を受ける結果となっている。天皇賞では展開のあやもあった中で大阪杯より着順を上げており、G1の壁に跳ね返されたと見なすのは早計だろう。エイシンヒカリを駆って香港Cを鮮やかに逃げ切った実績のある武豊騎手を鞍上に迎える今回は、ジャックドールにとって真価を問われる一戦となる。