昨年4月にデビュー6連勝で大阪杯を制した際は、その4か月前に引退したアーモンドアイの後継者誕生と競馬界を沸かせたが、それを最後に前走まで勝利から遠ざかることになるとは誰が想像しただろうか。大阪杯の次戦では宝塚記念で初黒星を喫したものの、それでも3着に粘り込む走りで力は見せた。しかし、オールカマー（4着）から牝馬同士のエリザベス女王杯（6着）と2200mで3連敗すると、香港カップで2000mに戻しても6着。大阪杯が道悪だったこともあり、良馬場の一線級相手で決め手不足の印象を残した。

ただ、今年も4戦未勝利ながら昨年の後半よりも充実した内容を披露している。初戦の金鯱賞ではレコード駆けのジャックドールを捕らえられず完敗の2着も、斤量が2kg軽くなった大阪杯ではしっかりと逆転。クビ差の2着で惜しくも連覇を逃したものの、昨年の香港Cで後塵を拝したヒシイグアスにも先着し、それぞれに力負けでなかったことを証明した。続くヴィクトリアマイルから毎日王冠は結果を出せなかったが、距離や高速決着など条件がかみ合わなかったもの。川田将雅騎手は毎日王冠後に「昨年の大阪杯の次に具合が良かった」という談話を残しており、昨年の秋より状態が上がっているのは間違いない。

中3週で秋3戦目だった昨年から、中8週とじっくり間隔を空けて臨む今年の香港Cは、ひと味違うところを見せてくれそうだ。