日本ダービー、そして天皇賞（秋）と完敗続きのジオグリフにとって、今回の香港C遠征は待ちに待った反撃の舞台かもしれない。東京競馬場での直近2戦はジオグリフに不向きな瞬発力勝負となり、身上とするスピードとパワーを生かすチャンスが全くなかった。距離適性についてはまだ判断できないが、ダービーでは距離の2400mもやや長かった感がある。

しのぎを削ってきた同世代たちと比較すれば、古馬にも通用する力があることは明らかだ。皐月賞で負かした2着以下の相手はイクイノックスにドウデュース、ダノンベルーガ、そしてアスクビクターモアという顔触れ。また、後方2番手から大外回しという、今となってはキャラクターに合っていないレース運びで5着に敗れた朝日杯フューチュリティSも、1着のドウデュースはもちろん2着のセリフォス、3着のダノンスコーピオンまでG1を勝っている。イクイノックスとセリフォスは古馬を撃破してのG1制覇だった。

皐月賞では先に動いたイクイノックスを息の長い末脚でまくり切っており、瞬発力で並ぶ間もなく置き去りにされた天皇賞とは対照的なレース内容。シャティン競馬場と好相性だったウインブライトは中山巧者で東京競馬場を苦手としていたように、ジオグリフが舞台を変えて激走しても驚きはない。