前走のマイルCSで1年11か月ぶりの連対を果たしたダノンザキッドが、この香港マイルで狙う2年ぶりの白星を金星に変えられるか。2歳時はデビュー戦から出世レースの東京スポーツ杯2歳S、そしてホープフルSと3連勝でG1制覇。クラシックの最有力候補となって迎えた3歳初戦の弥生賞（3着）で初黒星を喫するも、本番の皐月賞でも1番人気と当時は厚い支持を集めていた。しかし、桧舞台ではまさかの15着に大敗。巻き返しを期したダービーは直前で右前肢を剥離骨折し、夢の舞台に立てないまま終わってしまった。

骨折後は5か月の休養を経てマイルの富士Sから復帰。そこで4着とまずまずの結果を残すと、続くマイルCSでは1着の絶対女王グランアレグリアから1馬身1/4差、NHKマイルCの覇者で2着のシュネルマイスターには1/2馬身差の3着に善戦。2年ぶりの優勝を狙ったインディチャンプをハナ差の4着に抑えてポテンシャルを改めて証明した。

その後、今年初戦の中山記念は集中力に欠ける走りで完敗したが、立て直した安田記念は直線で先頭に立ち、6着ながら勝ち馬に約1馬身差の大きな見せ場を作った。さらに関屋記念、毎日王冠とも3着と堅実に走り、前走のマイルCSでは勝ち馬の決め手にこそ脱帽だったものの前年から一歩前進の2着。今回は大敗した皐月賞以来の2000mが課題となるが、マイル戦で不足していた瞬発力を補えれば勝機がめぐってくるかもしれない。