香港スプリント

2022/12/11(日) 15:50発走 シャティン競馬場

日本馬挑戦の歴史JAPANESE HISTORY

スプリント王たちが惨敗する鬼門を打ち砕いたロードカナロア親子

日本調教馬は香港スプリントが創設された1999年から国内最強クラスが積極的に参戦したが、2002年のG1昇格後も含めてほとんどが10着以下と、10年余りにわたって攻略の糸口もつかめない状態が続いた。

ようやく光明が見えたのは2011年のこと。破竹の5連勝でスプリンターズSを制したカレンチャンが歴代最高の5着に善戦すると、翌2012年にはカレンチャンを破ってスプリンターズSの覇者となった厩舎の後輩ロードカナロアが、雪辱を期すカレンチャンとともに香港スプリントに挑んだ。

レースは発馬の不利で早々に勝機を逸したカレンチャンに対し、ロードカナロアは手応え良く好位を追走すると、残り100mから2馬身半抜け出して完勝を収める。当時は凱旋門賞より勝つのが難しいと評されることさえあった難関に待望の1勝を刻みつけたロードカナロアは、翌年に高松宮記念、安田記念、そしてスプリンターズSと日本の短距離戦線を制圧して香港スプリントにも2年連続で参戦。パワーアップを証明するようにレース史上最大の5馬身差で連覇を達成した。スプリントG1で5馬身差はまさに驚異的だが、これは香港国際競走の4レースにおいても最大着差として今なお破られていない。

続く2014年もストレイトガールが3着に食い込み、これで日本調教馬は3年連続の入着。10着以下の惨敗ばかりだったかつての姿を払しょくしたかに思われた。ところが、そのストレイトガールが翌年は9着に終わると、2016年は高松宮記念のビッグアーサー、スプリンターズSのレッドファルクスと2頭の王者がそろって10着以下に沈み、2018年にも国内で春秋スプリント制覇のファインニードルが8着。最強クラスをもってしても及ばない状態に逆戻りしてしまった。

しかし、その危機を救ったのもまたロードカナロアだった。連覇から7年が経った2020年、息子のダノンスマッシュが前年の香港スプリントで8着に完敗した雪辱を期して再遠征すると、7着まで1馬身半差の混戦を断って父子制覇を成し遂げた。2021年も連覇を狙ったダノンスマッシュは大量落馬の煽りを受けて不本意な結果に終わってしまったが、難を逃れたレシステンシアが牝馬として過去最高の2着に奮闘している。

馬名 性齢 着順 騎手 調教師
2021 レシステンシア 牝4 2 C.スミヨン 松下武士
ダノンスマッシュ 牡6 8 川田将雅 安田隆行
ピクシーナイト 牡3 中止 福永祐一 音無秀孝
2020 ダノンスマッシュ 牡5 1 R.ムーア 安田隆行
タワーオブロンドン 牡5 13 W.ビュイック 藤沢和雄
2019 ダノンスマッシュ 牡4 8 L.デットーリ 安田隆行
2018 ファインニードル 牡5 8 川田将雅 高橋義忠
2017 レッツゴードンキ 牝5 6 岩田康誠 梅田智之
ワンスインナムーン 牝4 12 Z.パートン 斎藤誠
2016 ビッグアーサー 牡5 10 R.ムーア 藤岡健一
レッドファルクス 牡5 12 M.デムーロ 尾関知人
2015 ミッキーアイル 牡4 7 浜中俊 音無秀孝
ストレイトガール 牝6 9 戸崎圭太 藤原英昭
サクラゴスペル 牡7 12 Z.パートン 尾関知人
2014 ストレイトガール 牝5 3 岩田康誠 藤原英昭
スノードラゴン 牡6 8 大野拓弥 高木登
リトルゲルダ 牝5 14 M.デムーロ 鮫島一歩
2013 ロードカナロア 牡5 1 岩田康誠 安田隆行
2012 ロードカナロア 牡4 1 岩田康誠 安田隆行
カレンチャン 牝5 7 池添謙一 安田隆行
2011 カレンチャン 牝4 5 池添謙一 安田隆行
パドトロワ 牡4 14 安藤勝己 鮫島一歩
2009 ローレルゲレイロ 牡5 13 藤田伸二 昆貢
2008 ローレルゲレイロ 牡4 8 四位洋文 昆貢
トウショウカレッジ 牡6 9 池添謙一 池添兼雄
2006 シーイズトウショウ 牝6 10 池添謙一 鶴留明雄
メイショウボーラー 牡5 中止 福永祐一 白井寿昭
2005 アドマイヤマックス 牡6 11 上村洋行 橋田満
2004 サニングデール 牡5 7 福永祐一 瀬戸口勉
カルストンライトオ 牡6 14 大西直宏 大根田裕之
2002 ショウナンカンプ 牡4 10 藤田伸二 大久保洋吉
ビリーヴ 牝4 12 武豊 松元省一
2001 ダイタクヤマト 牡7 12 江田照男 石坂正
メジロダーリング 牝5 13 吉田豊 大久保洋吉