香港ヴァーズ

2022/12/11(日) 15:10発走 シャティン競馬場

日本馬挑戦の歴史JAPANESE HISTORY

5割に迫る入着率、2016年以降は常に3着以上を確保

日本調教馬は香港ヴァーズ創設の1994年から参戦し、G1昇格後の比較では香港マイルと同じ4勝を挙げている。しかし、香港マイルの3着内率が30%に満たないのに対し、香港ヴァーズは45%と高い好走率を記録。日本からの遠征馬がいなかった2020年を除けば、2016年以降は常に上位争いを演じている。

日本調教馬は1994年のエイシンテネシー(4着)から数えて5頭目で香港ヴァーズ制覇を果たした。G1昇格2年目の2001年に遠征したステイゴールドは、6歳の目黒記念で重賞初制覇を飾ると、7歳で日経新春杯、海外初遠征のドバイシーマクラシック(当時G2)を連勝して勝ち切れないキャラクターを徐々に返上。2着4回と跳ね返されてきた悲願のG1制覇を賭けて引退戦の香港ヴァーズに挑むことになった。

レースでは2番手追走から早めにピッチを上げるエクラールに対し、中団から追撃するステイゴールは逆転不可能にも思われる差を広げられたが、直線でしぶとく追い上げると最後の100mから飛ぶような加速で急接近。最後の一完歩で際どく差し切り、アタマで文字通りのラストチャンスをものにした。現地表記の「黄金旅程」という馬名を体現するかのような大団円は、香港ヴァーズという1レースの枠を超え、日本競馬史に残るドラマとして語り継がれることになった。

ステイゴールドの劇的な勝利後は2005年にシックスセンスが2着、ジャガーメイルは4回の遠征で2008年3着、2012年2着と善戦したものの、2勝目を手にするまで15年もの空白期間が生じた。

2016年は連覇を狙うアイルランドのハイランドリールが単勝1.5倍の圧倒的人気を集め、日本のサトノクラウンは20倍の7番人気。挑戦者というよりも伏兵扱いだったが、軽快に先行する王者を離れた位置からマークすると、残り300mで4馬身ほどあった差をゴール前で逆転し、鮮やかな差し切りで金星を挙げた。連覇を逃したハイランドリールは2017年も参戦して2度目の優勝。この年はトーセンバジルが3着に食い下がり、翌2018年にはリスグラシューが地元の雄エグザルタントと叩き合ってクビ差の2着に惜敗した。

そして、2019年はグローリーヴェイズが馬群の中からディフェンディングチャンピオンを急襲し、3馬身半突き抜ける圧勝劇。2着にはラッキーライラックが続き、日本調教馬による初のワンツーとなった。グローリーヴェイズは2021年にも2度目の遠征で大外一気の差し切りを決め、この2022年にレース史上初の3勝目を狙う。

馬名 性齢 着順 騎手 調教師
2021 グローリーヴェイズ 牡6 1 J.モレイラ 尾関知人
ステイフーリッシュ 牡6 5 C.ホー 矢作芳人
2019 グローリーヴェイズ 牡4 1 J.モレイラ 尾関知人
ラッキーライラック 牝4 2 C.スミヨン 松永幹夫
ディアドラ 牝5 4 O.マーフィー 橋田満
2018 リスグラシュー 牝4 2 J.モレイラ 矢作芳人
クロコスミア 牝5 10 岩田康誠 西浦勝一
2017 トーセンバジル 牡5 3 J.モレイラ 藤原英昭
キセキ 牡3 9 M.デムーロ 角居勝彦
2016 サトノクラウン 牡4 1 J.モレイラ 堀宣行
ヌーヴォレコルト 牝5 4 岩田康誠 斎藤誠
スマートレイアー 牝6 5 武豊 大久保龍志
2014 カレンミロティック セ6 5 池添謙一 平田修
2013 アスカクリチャン 牡6 7 岩田康誠 須貝尚介
2012 ジャガーメイル 牡8 2 D.ホワイト 堀宣行
2011 トレイルブレイザー 牡4 6 安藤勝己 池江泰寿
2010 ジャガーメイル 牡6 4 C.ウィリアムズ 堀宣行
2009 ジャガーメイル 牡5 4 C.スミヨン 堀宣行
2008 ジャガーメイル 牡4 3 M.キネーン 堀宣行
2006 ソングオブウインド 牡3 4 武幸四郎 浅見秀一
アドマイヤメイン 牡3 8 武豊 橋田満
2005 シックスセンス 牡3 2 四位洋文 長浜博之
2001 ステイゴールド 牡7 1 武豊 池江泰郎
1999 ローゼンカバリー 牡6 7 菊沢隆徳 鈴木康弘
1997 エイシンサンサン 牝5 12 武豊 坂口正則
1995 タニノクリエイト 牡3 4 蛯名正義 森秀行
1994 エイシンテネシー 牝5 4 増井裕 坂口正則