昨年のマイルCSを鮮烈に制して以来、白星から遠ざかっているセリフォスが、この香港マイルに復権をかける。連覇を狙った前走のマイルCSでは初めて掲示板をはずすなど、臨戦過程としては不安を感じさせるが、そもそも今年は3戦しかしておらず、内容も決して悪くない。

今年はドバイターフで始動し、その結果は5着というものだった。鞍上が中団で懸命に折り合いをつけ、直線では大外から差し切る勢いで先頭に迫るも、残り200mという所で明確に脚勢が鈍った内容は、1800mの距離が敗因と割り切れる。帰国後の安田記念ではドバイターフより折り合いもつき、好位から馬群をこじ開けるように伸びて2着を確保と力を示した。

その後は猛暑で夏負けし、秋初戦に予定していた富士Sを回避。前走のマイルCSにぶっつけ本番となる誤算が生じた。影響はキャリア最低の8着と如実に表れたが、力みが目立った上に馬群の外を走らされる心身ともにロスの多い道中ながら、直線半ばで先頭をうかがう大きな見せ場を作っている。1年前の自身を再現するようなナミュールの瞬発力には脱帽だったものの、2馬身少々（0秒4差）と着順ほど大きく負けた訳ではない。引き続き手綱を任される川田将雅騎手も叩き2戦目での変わり身に自信を見せており、今回は本来の走りを披露してくれるはずだ。