英インターナショナルステークス(G1)
2024年8月21日 (水) 23:35[現地時間 2024年8月21日 (水) 15:35]
イギリス ヨーク競馬場
芝左2050m 3歳以上
負担重量:4歳以上=牡・セン馬 61kg、牝馬 59.5kg 3歳=牡・セン馬 57.5kg、牝馬 56㎏
賞金総額:125万ポンド(約2億5000万円)
1着賞金:70万8875ポンド(約1億4177万5000円)
※1ポンド=200円で換算
英インターナショナルSは1972年に創設された。ダービーやオークスといったクラシック競走が250回に迫るなど、歴史と伝統を誇る英国の競馬界においては50回少々の若いレースだが、その始まりは現在の隆盛を予見するかのように豪華でドラマチックなものだった。
タバコブランドがスポンサーに付き、ベンソン&ヘッジズゴールドCの名称で行われた第1回は、英国競馬史の2強と並び称されるブリガディアジェラードとミルリーフの対決が大きな呼び物だった。しかし、ミルリーフは脚部不安により回避。ライバル無きブリガディアジェラードが大本命となる。ところが、直前の愛ダービーで大敗していた英ダービー馬ロベルトに逃げ切りを許し、まさかの2着という波乱の結果に終わる。ブリガディアジェラードにとっては、これが生涯18戦の16戦目で喫した唯一の黒星だった。
2年後の1974年には直前に史上初のキングジョージ6世&クイーンエリザベスS連覇を達成した名牝ダーリアが初優勝。ダーリアは翌1975年にベンソン&ヘッジズゴールドCでも史上初の連覇を達成。80年代に入ると種牡馬として日本に数々の名馬を送り込んだカーリアンも優勝(1983年)している。
1985年にスポンサーが競走馬生産のマッチメーカー社に変わるとレース名も「インターナショナルステークス」に改められ、1989年から現在のジャドモント社がスポンサーとなった。90年代を迎えるとエズード(1993~1994年)、ホーリング(1995~1996年)の2頭が連覇。この他に種牡馬として輸入されたロドリゴデトリアーノ(1992年)、前年にジャパンCを制したシングスピール(1997年)と、日本に縁のある名馬たちも勝者に名を連ねている。なお、ホーリングを最後に現在まで連覇を達成した馬はいない。
2000年代に入るとファルブラヴ(2003年)がジャパンC覇者として2頭目の優勝。2005年にはゼンノロブロイが日本調教馬として初参戦を果たし、日本におけるインターナショナルSの認知度も一気に高まった。2019年にシュヴァルグランが2頭目の遠征を実現している。
また、IFHA(国際競馬統轄機関連盟)が2015年から発表している「世界のトップ100・G1レース(過去3年間の上位4着馬のレーティングを元に算出)」において初年度(該当期間は2012年~2014年)1位、つまり世界一ハイレベルなレースに認定され、2020年にも2度目の1位となった。2000年以降の優勝馬ではジャイアンツコーズウェイ(2000年)、シーザスターズ(2009年)、フランケル(2012年)、ロアリングライオン(2018年)、ガイヤース(2020年)、バーイード(2022年)の6頭がカルティエ賞年度代表馬に輝いている。
レース日 | 調教国 | 馬名 | 性齢 | 騎手 | 調教師 | タイム |
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2023年8月23日 | イギリスイギリス | モスターダフ | 牡5 | L.デットーリ | J&T.ゴスデン | 2:06:40 |
2022年8月17日 | イギリスイギリス | バーイード | 牡4 | J.クローリー | W.ハガス | 2:09:30 |
2021年8月18日 | イギリスイギリス | ミシュリフ | 牡4 | D.イーガン | J&T.ゴスデン | 2:05:92 |
2020年8月19日 | イギリスイギリス | ガイヤース | 牡5 | W.ビュイック | C.アップルビー | 2:07:38 |
2019年8月21日 | アイルランドアイルランド | ジャパン | 牡3 | R.ムーア | A.オブライエン | 2:07:77 |
2018年8月22日 | イギリスイギリス | ロアリングライオン | 牡3 | O.マーフィー | J.ゴスデン | 2:07:70 |
2017年8月23日 | イギリスイギリス | ユリシーズ | 牡4 | J.クローリー | M.スタウト | 2:12:11 |
2016年8月17日 | イギリスイギリス | ポストポンド | 牡5 | A.アッゼニ | R.ヴェリアン | 2:06:58 |
2015年8月19日 | イギリスイギリス | アラビアンクイーン | 牝3 | S.デソウサ | D.エルスワース | 2:09:92 |
2014年8月20日 | アイルランドアイルランド | オーストラリア | 牡3 | J.オブライエン | A.オブライエン | 2:07:35 |
2013年8月21日 | アイルランドアイルランド | デクラレーションオブウォー | 牡4 | J.オブライエン | A.オブライエン | 2:05:74 |
2012年8月22日 | イギリスイギリス | フランケル | 牡4 | T.クウィリー | H.セシル | 2:06:59 |
2011年8月17日 | イギリスイギリス | トワイスオーヴァー | 牡6 | I.モンガン | H.セシル | 2:14:70 |
2010年8月17日 | イギリスイギリス | リップヴァンウィンクル | 牡4 | J.ムルタ | A.オブライエン | 2:08:58 |
2009年8月18日 | アイルランドアイルランド | シーザスターズ | 牡3 | M.キネーン | J.オックス | 2:05:29 |
2008年8月23日 | アイルランドアイルランド | デュークオブマーマレード | 牡4 | J.ムルタ | A.オブライエン | 2:01:53 |
2007年8月21日 | イギリスイギリス | オーソライズド | 牡3 | L.デットーリ | P.チャップルハイアム | 2:11:82 |
2006年8月22日 | イギリスイギリス | ノットナウケイト | 牡4 | R.ムーア | M.スタウト | 2:12:32 |
2005年8月16日 | イタリアイタリア | エレクトロキューショニスト | 牡4 | M.キネーン | V.ヴァリアーニ | 2:07:47 |
2004年8月17日 | イギリスイギリス | スラマニ | 牡5 | L.デットーリ | S.ビン・スルール | 2:11:82 |
2003年8月19日 | イギリスイギリス | ファルブラヴ | 牡5 | D.ホランド | L.クマーニ | 2:06:84 |
2002年8月20日 | イギリスイギリス | ネイエフ | 牡4 | R.ヒルズ | M.トレゴニング | 2:08:74 |
2001年8月21日 | イギリスイギリス | サキー | 牡4 | L.デットーリ | S.ビン・スルール | 2:08:27 |
2000年8月22日 | アイルランドアイルランド | ジャイアンツコーズウェイ | 牡3 | M.キネーン | A.オブライエン | 2:09:13 |
※2000年以降を記載
※2008年はニューマーケット競馬場開催