【キングジョージ現地レポート】シュヴァルグラン追い切り、マーフィー騎手「楽なレースにはならないけど…」
2019年07月24日 14:00
現地時間23日、英国ニューマーケットでG1キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス(27日、アスコット競馬場、芝2390m)に出走するシュヴァルグラン(牡7歳、栗東・友道康夫厩舎)が最終追い切りを行なった。
午前8時半で気温は23度。英国は現在、珍しく暑い日が続いているが、この日もいかにも気温が上がりそうな空の下、シュヴァルグランはオールウェザーのアルバハトリコースに入れられた。
「好天続きで芝はかなり固くなっているようなのでオールウェザーで追い切る事にしました」
前日に現地入りした友道調教師はそう語り、この追い切りを見守った。
手綱をとったのは競馬でも騎乗するO.マーフィー騎手。前週に続き2週連続での調教騎乗は、5ハロンを15-15で入り、上がりの3ハロンはしっかりと追われた。
「日本の坂路に比べると負荷がかからない感じのコースなので、しっかりとやってくれるように指示しました。ただ、同時にやり過ぎないようにともお願いしました」
と友道調教師。実際に、追い切りの動きを見た後は表情をほころばせて次のように口を開いた。
「ほぼ指示した通りに乗ってくれました。良い動きだったと思います」
実際、手綱を取ったマーフィー騎手は次のように言う。
「先週も乗って良い状態なのは分かっていたけど今朝の動きも素晴らしかったです。満足しています」
3月に走ったドバイシーマクラシック以来のレースになるが、休み明けという感じは受けなかったと続ける。
「ご存知のように日本はテクノロジーが進んでいるので、休み明けといってきっちり仕上がっていると感じました」
ただし、相手関係を考えると簡単なレースではないと更に続けて言った。
「エネイブルにクリスタルオーシャンも出て来るので、決して楽なレースにはならないでしょうね。もっとも日本馬は2400m路線では強いし、ましてジャパンカップを勝っている馬ですからね。僕も期待しています」
ここで友道調教師の話に戻そう。追い切り前日の22日に現地入りした指揮官は、久しぶりにみた愛馬の姿をどう感じたのだろうか。
「日本と同じかむしろ落ち着いているように見えました。飼い食いも全く落ちていないようだし、体重も極端に増える事も減る事もなく、良い状態だと感じました」
日本とは違う環境での仕上げについては、乗り手の感覚だけでなく、心電図をとり、科学的な数字の裏付けも味方に行なっている。
「思った以上に連日暑いのだけが予想外でしたが、他はほぼ予定通りに来ています」
データ的には休み明けの馬には厳しいレースではあるが、陣営の雰囲気を見ていると一発の可能性を感じさせる。期待したい。
取材・文:平松さとし