パリロンシャン競馬場のレースは右回りで行われ、大(2750m)、中(2500m)、小(2150m)の周回コースのほか、向正面の大コーナー付近から延びる引き込み線の新コース(1400m)、さらにスタートからゴールまでを向正面で完結させる直線コース(1000m)の計5コースからなる。凱旋門賞は大コースを舞台とし、スタート地点はグランドスタンドから見て左手奥の風車前に置かれる。
向正面の直線約1000mでは、400mを通過する辺りから10mの勾配を駆け上がって頂上に到達し、すぐに下りのコーナーセクションへと移る。勾配の比較では3倍余りになるが、この辺りは淀の坂越えを彷彿とさせる。
直線1000mコースをまたいだ先に待ち構える「フォルスストレート」も重要なポイント。下り坂で我慢を重ねてきた馬が、最後の直線と勘違いして行きたがる場合もあり、ここで無駄な動きをすると終盤のスタミナロスに影響する。
フォルスストレートの終わりに差し掛かると、ラストスパートに備えて各馬が進出を開始するが、馬群の中から進路を確保していくのがセオリー。最後の直線に坂はなく平坦。東京競馬場(約526m)とほぼ同じ、十分な長さがある。