英インターナショナルステークス(G1)
2025年8月20日 (水) 23:35[現地時間 2025年8月20日 (水) 15:35]
イギリス ヨーク競馬場
芝左2050m 3歳以上
負担重量:4歳以上=牡・セン馬 61kg、牝馬 59.5kg 3歳=牡・セン馬 57.5kg、牝馬 56㎏
賞金総額:125万ポンド(約2億4375万円)
1着賞金:70万8875ポンド(1億3823万1625円)
※1ポンド=195円で換算
英インターナショナルSの創設は1972年。ダービーやオークスをはじめとするクラシック競走が250回に迫るなど、歴史と伝統を誇る英国の競馬界においては若いレースだが、IFHA(国際競馬統括機関連盟)が2015年から発表している「世界のトップ100G1競走」において、昨年までの10年間で3回(2012年〜2014年、2020年、2024年)首位になるなど、50年少々の歴史で英国を代表するレースの一つに成長している。(2015年発表のランキングは 過去3年間の上位4着馬のレーティングの平均に基づく。)
タバコブランドがスポンサーに付き、ベンソン&ヘッジスゴールドCの名称で行われた第1回は、英国競馬史の2強と並び称されるブリガディアジェラードとミルリーフの対決が大きな呼び物となった。しかし、ミルリーフが脚部不安で回避すると、断然の人気を集めることになったブリガディアジェラードも2着で生涯唯一の黒星を喫する波乱。直前の愛ダービーで大敗していた英ダービー馬ロベルトが逃げ切って勝利をさらった。その初代覇者にとって直系の玄孫に当たるのが、この2025年に日本から遠征するダノンデサイルということになる。
1974年には直前に史上初のキングジョージ6世&クイーンエリザベスS連覇を達成した名牝ダーリアが初優勝し、翌年のベンソン&ヘッジスゴールドCでも史上初の連覇を達成。80年代に入ると種牡馬として日本に数々の名馬を送り込んだカーリアンも優勝(1983年)している。
1986年にスポンサーが競走馬生産のマッチメーカー社に変わると「インターナショナルステークス」に改称し、1989年以降は現在のジャドモント社がスポンサーを務めている。90年代に入るとエズード(1993、1994年)、ホーリング(1995、1996年)の2頭が連覇したが、連覇達成はダーリアと合わせて史上3頭のみ。この他に種牡馬として輸入されたロドリゴデトリアーノ(1992年)、前年にジャパンCを制したシングスピール(1997年)と、日本に縁のある名馬たちも優勝した。
インターナショナルSの2か月前に行われるロイヤルアスコット開催のプリンスオブウェールズSが2000年にG1昇格を果たすなど、中距離戦の価値が一段と高まりを見せていく。それとともにジャイアンツコーズウェイ(2000年)やサキー(2001年)など優勝馬にビッグネームも増え、2010年前後からはシーザスターズ(2009年)、フランケル(2012年)、ロアリングライオン(2018年)、ガイヤース(2020年)、バーイード(2022年)、シティオブトロイ(2024年)とカルティエ賞年度代表馬を続々と輩出してきた。
日本調教馬は2005年にゼンノロブロイが初参戦を果たし、エレクトロキューショニストと激闘を演じた末に2着。この挑戦により日本におけるインターナショナルSの認知度が一気に高まった。その後はシュヴァルグラン(2019年)、ドゥレッツァ(2024年)が遠征を実現している。
レース日 | 調教国 | 馬名 | 性齢 | 騎手 | 調教師 | タイム |
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2024年8月21日 | アイルランドアイルランド | シティオブトロイ | 牡3 | R.ムーア | A.オブライエン | 2:04:32 |
2023年8月23日 | イギリスイギリス | モスターダフ | 牡5 | L.デットーリ | J&T.ゴスデン | 2:06:40 |
2022年8月17日 | イギリスイギリス | バーイード | 牡4 | J.クローリー | W.ハガス | 2:09:30 |
2021年8月18日 | イギリスイギリス | ミシュリフ | 牡4 | D.イーガン | J&T.ゴスデン | 2:05:92 |
2020年8月19日 | イギリスイギリス | ガイヤース | 牡5 | W.ビュイック | C.アップルビー | 2:07:38 |
2019年8月21日 | アイルランドアイルランド | ジャパン | 牡3 | R.ムーア | A.オブライエン | 2:07:77 |
2018年8月22日 | イギリスイギリス | ロアリングライオン | 牡3 | O.マーフィー | J.ゴスデン | 2:07:70 |
2017年8月23日 | イギリスイギリス | ユリシーズ | 牡4 | J.クローリー | M.スタウト | 2:12:11 |
2016年8月17日 | イギリスイギリス | ポストポンド | 牡5 | A.アッゼニ | R.ヴェリアン | 2:06:58 |
2015年8月19日 | イギリスイギリス | アラビアンクイーン | 牝3 | S.デソウサ | D.エルスワース | 2:09:92 |
2014年8月20日 | アイルランドアイルランド | オーストラリア | 牡3 | J.オブライエン | A.オブライエン | 2:07:35 |
2013年8月21日 | アイルランドアイルランド | デクラレーションオブウォー | 牡4 | J.オブライエン | A.オブライエン | 2:05:74 |
2012年8月22日 | イギリスイギリス | フランケル | 牡4 | T.クウィリー | H.セシル | 2:06:59 |
2011年8月17日 | イギリスイギリス | トワイスオーヴァー | 牡6 | I.モンガン | H.セシル | 2:14:70 |
2010年8月17日 | イギリスイギリス | リップヴァンウィンクル | 牡4 | J.ムルタ | A.オブライエン | 2:08:58 |
2009年8月18日 | アイルランドアイルランド | シーザスターズ | 牡3 | M.キネーン | J.オックス | 2:05:29 |
2008年8月23日 | アイルランドアイルランド | デュークオブマーマレード | 牡4 | J.ムルタ | A.オブライエン | 2:01:53 |
2007年8月21日 | イギリスイギリス | オーソライズド | 牡3 | L.デットーリ | P.チャップルハイアム | 2:11:82 |
2006年8月22日 | イギリスイギリス | ノットナウケイト | 牡4 | R.ムーア | M.スタウト | 2:12:32 |
2005年8月16日 | イタリアイタリア | エレクトロキューショニスト | 牡4 | M.キネーン | V.ヴァリアーニ | 2:07:47 |
2004年8月17日 | イギリスイギリス | スラマニ | 牡5 | L.デットーリ | S.ビン・スルール | 2:11:82 |
2003年8月19日 | イギリスイギリス | ファルブラヴ | 牡5 | D.ホランド | L.クマーニ | 2:06:84 |
2002年8月20日 | イギリスイギリス | ネイエフ | 牡4 | R.ヒルズ | M.トレゴニング | 2:08:74 |
2001年8月21日 | イギリスイギリス | サキー | 牡4 | L.デットーリ | S.ビン・スルール | 2:08:27 |
2000年8月22日 | アイルランドアイルランド | ジャイアンツコーズウェイ | 牡3 | M.キネーン | A.オブライエン | 2:09:13 |
※2000年以降を記載
※2008年はニューマーケット競馬場開催