アイリッシュチャンピオンステークス(G1)
2025年9月14日 (日) 01:30[現地時間 2025年9月13日 (土) 17:30]
アイルランド レパーズタウン競馬場
芝左2000m 3歳以上
負担重量:4歳以上=牡・セン馬 61kg、牝馬 60kg 3歳=牡・セン馬 58.5kg、牝馬 57kg
賞金総額:125万ユーロ(約2億1250万円)
1着賞金:72万5000ユーロ(約1億2325万円)
※1ユーロ=170円で換算
アイリッシュチャンピオンステークスの歴史は1976年に創設の「ジョーマクグラスメモリアルステークス」に始まる。ジョー・マクグラスはアイルランドの政財界で活躍する一方、1951年の愛ダービー馬アークティックプリンスを生産・所有するなど、馬産家として競馬界にも貢献した人物だった。
レースは創設当初からレパーズタウン競馬場で開催されていたが、1984年にフェニックスパーク競馬場へと移ってフェニックスチャンピオンSに改称。しかし、フェニックスパーク競馬場が財政難で閉場すると、1991年に再びレパーズタウン競馬場での開催に戻り、レース名もアイリッシュチャンピオンSに改めて現在に至っている。
過去49回の歴史で地元のアイルランド調教馬は24勝を挙げ、これに英国が21勝で続きほぼ互角の関係。残りはフランスの4勝で、これら3カ国しか優勝馬を輩出していない。第1回はフランス、第2回は英国が優勝し、アイルランド調教馬は第3回に伝説の伯楽ヴィンセント・オブライエン調教師のインカーマンが初優勝。オブライエン師は第6回まで4連覇を達成するとともに、フェニックスチャンピオンSに改称した1984年には種牡馬として一時代を築くサドラーズウェルズでも制して通算5勝した。
1987年にはトリプティクがフランス調教馬として2勝目。その後に凱旋門賞、英チャンピオンステークスを経て来日すると、富士Sを凄まじい瞬発力で圧勝し、日本の競馬界に衝撃を与えた。1990年代にはドクターデヴィアス(1992年)、ペンタイア(1995年)、ピルサドスキー(1997年)と、種牡馬として日本に輸入された馬たちも優勝している。
1998年以降、2000年代に入る10年間はゴドルフィンとクールモアグループの二強時代に突入。ゴドルフィンがスウェイン(1998年)、デイラミ(1999年)、ファンタスティックライト(2001年)、グランデラ(2002年)と4勝すれば、クールモアはジャイアンツコーズウェイ(2000年)、ハイシャパラル(2003年)、オラトリオ(2005年)、ディラントーマス(2006、2007年)で5勝と激しく火花を散らした。
愛チャンピオンSを2勝以上した馬はディラントーマスとマジカル(2019、2020年)の2頭いるが、どちらもエイダン・オブライエン調教師の管理馬。クールモアの競走馬を管理する同師は2000年の初勝利から通算12勝を挙げ、調教師による最多勝利記録を保持している。また、2023年にはオーギュストロダンの勝利により5連覇を達成し、V.オブライエン師の連続優勝記録も更新している。
騎手による勝利記録はM.キネーンの7勝が歴代最多。現役ではゴールデンホーンなど計6勝のL.デットーリが最多で、R.ムーアが5勝で続く。なお、レースレコードは2012年のスノーフェアリーによる2分00秒92。同馬は2010年と2011年に日本のエリザベス女王杯も連覇している。
日本調教馬は英国に長期滞在していたディアドラが2019年に初参戦して4着。日本調教馬がアイルランド競馬に参戦するのもこれが初めてだった。2024年にはシンエンペラーが遠征して3着に惜敗している。
レース日 | 調教国 | 馬名 | 性齢 | 騎手 | 調教師 | タイム |
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2024年9月14日 | イギリスイギリス | エコノミクス | 牡3 | T.マーカンド | W.ハガス | 2:03:20 |
2023年9月9日 | アイルランドアイルランド | オーギュストロダン | 牡3 | R.ムーア | A.オブライエン | 2:02:68 |
2022年9月10日 | アイルランドアイルランド | ルクセンブルク | 牡3 | R.ムーア | A.オブライエン | 2:12:10 |
2021年9月11日 | アイルランドアイルランド | セントマークスバシリカ | 牡3 | R.ムーア | A.オブライエン | 2:11:19 |
2020年9月12日 | アイルランドアイルランド | マジカル | 牝5 | S.ヘファナン | A.オブライエン | 2:05:08 |
2019年9月14日 | アイルランドアイルランド | マジカル | 牝4 | R.ムーア | A.オブライエン | 2:06:49 |
2018年9月15日 | イギリスイギリス | ロアリングライオン | 牡3 | O.マーフィー | J.ゴスデン | 2:07:21 |
2017年9月9日 | イギリスイギリス | デコレーテッドナイト | 牡5 | A.アッゼニ | R.チャールトン | 2:08:36 |
2016年9月10日 | フランスフランス | アルマンゾル | 牡3 | C.スミヨン | JC.ルジェ | 2:08:93 |
2015年9月12日 | イギリスイギリス | ゴールデンホーン | 牡3 | L.デットーリ | J.ゴスデン | 2:05:41 |
2014年9月13日 | イギリスイギリス | ザグレーギャツビー | 牡3 | R.ムーア | K.ライアン | 2:03:18 |
2013年9月7日 | イギリスイギリス | ザフューグ | 牝4 | W.ビュイック | J.ゴスデン | 2:05:22 |
2012年9月8日 | イギリスイギリス | スノーフェアリー | 牝5 | L.デットーリ | E.ダンロップ | 2:00:92 |
2011年9月3日 | アイルランドアイルランド | ソーユーシンク | 牡5 | S.ヘファナン | A.オブライエン | 2:04:20 |
2010年9月4日 | アイルランドアイルランド | ケープブランコ | 牡3 | S.ヘファナン | A.オブライエン | 2:03:89 |
2009年9月5日 | アイルランドアイルランド | シーザスターズ | 牡3 | M.キネーン | J.オックス | 2:03:90 |
2008年9月7日 | アイルランドアイルランド | ニューアプローチ | 牡3 | K.マニング | J.ボルジャー | 2:07:50 |
2007年9月8日 | アイルランドアイルランド | ディラントーマス | 牡4 | K.ファロン | A.オブライエン | 2:02:27 |
2006年9月9日 | アイルランドアイルランド | ディラントーマス | 牡3 | K.ファロン | A.オブライエン | 2:02:90 |
2005年9月10日 | アイルランドアイルランド | オラトリオ | 牡3 | K.ファロン | A.オブライエン | 2:03:90 |
2004年9月11日 | アイルランドアイルランド | アザムール | 牡3 | M.キネーン | J.オックス | 2:01:90 |
2003年9月6日 | アイルランドアイルランド | ハイシャパラル | 牡4 | M.キネーン | A.オブライエン | 2:03:30 |
2002年9月7日 | イギリスイギリス | グランデラ | 牡4 | L.デットーリ | S.ビン・スルール | 2:04:70 |
2001年9月8日 | イギリスイギリス | ファンタスティックライト | 牡5 | L.デットーリ | S.ビン・スルール | 2:01:80 |
2000年9月9日 | アイルランドアイルランド | ジャイアンツコーズウェイ | 牡3 | M.キネーン | A.オブライエン | 2:03:10 |
※2000年以降を記載