ムーランドロンシャン賞（G1）
2025年9月7日 (日) 22:50［現地時間 2025年9月7日 (日) 15:50］
フランス パリロンシャン競馬場
芝右1600m 3歳以上
負担重量：4歳以上=牡・セン馬 58.5kg、牝馬 57kg　3歳=牡・セン馬 56kg、牝馬 54.5㎏

賞金総額：80万ユーロ（約1億3200万円）
1着賞金：45万7120ユーロ（約7542万4800円）
※1ユーロ＝165円で換算

ムーランドロンシャン賞は1957年の創設で、パリロンシャン競馬場の開場100周年を記念してアベイドロンシャン賞とともに誕生した。レース名は凱旋門賞のスタート地点付近にある名物の風車小屋（Moulin）に由来している。2016年と2017年の2回はパリロンシャン競馬場の改修に伴いシャンティイ競馬場で代替開催された。

開催日は数回にわたって移動が繰り返され、1974年に創設当時の凱旋門賞と同日から9月の最終日曜日に1週前倒し。1980年には英仏間のマイルG1で日程調整が図られ、ロンポワン賞（現在のダニエルウィルデンシュタイン賞）に代わり9月の第1日曜日へとさらに繰り上げられた。これにより日程上はサセックスSからジャックルマロワ賞、ムーランドロンシャン賞、そしてクイーンエリザベス2世Sと4つのマイルG1に出走することが可能となった。なお、1987年以降は創設当初の中回りから凱旋門賞と同じ大回りへと使用コースが変更となっている。

2011年には9月の第2日曜日に繰り下げとなるも、2020年に再び日曜日の第1日曜日へと回帰してセン馬にも開放。この2025年からは8年ぶりにヴェルメイユ賞らの凱旋門賞トライアルと同日での開催となる。また、賞金総額も前年の45万ユーロから80万ユーロへと約80％の大幅増加が図られ、フランスの二大マイルG1と称されながら水を開けられていたジャックルマロワ賞（賞金総額100万ユーロ）の規模に近づいた。

日本調教馬は1986年のギャロップダイナをはじめとして2003年までの4頭しか出走例がない。しかし、2003年にテレグノシスと連れ立ってフランス滞在したローエングリンは、ジャックルマロワ賞（10着）からの転戦で2着に好走。1994年には武豊騎手が地元調教馬のスキーパラダイスに騎乗して優勝し、日本人騎手による海外G1初制覇という歴史的1勝を手にした。2021年からはヴィクトリアマイルと安田記念の3着までに優先出走権と登録料免除、輸送費補助の特典が用意されている。

過去にムーランドロンシャン賞を連覇した馬は1頭もおらず、フランス国外からの優勝は22頭。ジャックルマロワ賞とムーランドロンシャン賞の双方を制した馬は11頭おり、そのうち9頭は3歳でどちらかのレースに勝っている。レースレコードはセンダワール（1999年）による1分35秒2。

最多勝利調教師はA.ファーブルが2024年のレースをトリバリストで制すなど通算8勝で単独トップ。最多勝利騎手はC.アスムッセンの6勝、これにY.サンマルタンの4勝と続くが、L.ピゴットやO.ペリエら3勝で並ぶ5人を含め上位7人はすでに全員が引退している。

※2000年以降を記載