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【世界の調教師紹介 Vol.2】サイード・ビン・スルール

2018年03月27日 12:00

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UAE・ドバイのモハメド殿下が率いる馬主組織・ゴドルフィンの専属調教師。ドバイのほか、イギリスにも拠点を構える。

サイード・ビン・スルール調教師はドバイ出身で1968年10月10日生まれ。家族がアラブ馬の調教をしていたこともあって、馬との関わりは幼少の頃からあった。その後、ドバイで警官を務める傍ら、本人曰く半ば趣味として馬の調教を行っていたが(調教師免許取得は1994年)、モハメド殿下に見出され、1995年にゴドルフィンの専属調教師に抜擢。すると4月にはレッドビショップでアメリカのG1サンファンカピストラーノ招待Hを制して早くもG1初制覇。この年はラムタラでG1英ダービー、G1キングジョージ6世&クイーンエリザベスS、G1凱旋門賞、ホーリングでG1英インターナショナルS、G1エクリプスS、ムーンシェルでG1英オークス、ヴェットーリでG1仏2000ギニー、クラシッククリーシェでG1英セントレジャー、ハートレイクで安田記念を制すなど驚異的な活躍を見せた。

ドバイワールドCで史上最多の9勝を挙げているビン・スルール調教師。(Photo by Getty Images)

その後も数多くの主要レースを制しており、英クラシック(G1英2000ギニー、G1英ダービー、G1英セントレジャー、G1英1000ギニー、G1英オークス)は計12勝で完全制覇。G1凱旋門賞もラムタラ、サキーマリエンバードで3勝、G1キングジョージ6世&クイーンエリザベスSはラムタラ、スウェイン(連覇)、デイラミドワイエンで5勝、G1BCターフはデイラミ、ファンタスティックライトで2勝。G1ドバイワールドカップもアルムタワケル、ドバイミレニアム、ストリートクライ、ムーンバラッド、エレクトロキューショニスト、アフリカンストーリー、プリンスビショップサンダースノー(連覇)で史上最多となる9勝を挙げている。

イギリスのチャンピオントレーナーは1996、1998、1999、2004年の計4回。現在は、ゴドルフィンの契約騎手であるウィリアム・ビュイック騎手、ジェームズ・ドイル騎手ではなく、ランフランコ・デットーリ騎手、オイシン・マーフィー騎手などそのとき空いているベストな騎手を鞍上に迎えている。

近年のG1勝ち
2020年
なし

2019年
ドバイワールドC(UAE):サンダースノー
ジェベルハッタ(UAE):ドリームキャッスル

2018年
クリテリウムアンテルナシオナル(フランス):ロイヤルミーティング
コーフィールドC(オーストラリア):ベストソリューション
ラドブロークスS(オーストラリア):ベンバトル
ジャンリュックラガルデール賞(フランス):ロイヤルマリン
バーデン大賞(ドイツ):ベストソリューション
ベルリン大賞(ドイツ):ベストソリューション
ダルマイヤー大賞(ドイツ):ベンバトル
ドバイワールドC(UAE):サンダースノー
ドバイターフ(UAE):ベンバトル

2017年
ジャンプラ賞(フランス):サンダースノー

2016年
クリテリウムアンテルナシオナル(フランス):サンダースノー

文:秋山 響(TPC)