【世界の調教師紹介 Vol.32】マイケル・スタウト
2020年08月26日 15:00
イギリスを代表する調教師であるマイケル・スタウト調教師は1945年10月22日、バルバドス生まれ。父はバルバドスの警察長官で、自宅のすぐそばに競馬場があったことから競馬に興味を持った。バルバドスにいたころも厩舎の手伝いをし、地元新聞に競馬記事を書き、ラジオで競馬の解説したこともあった。
その後、19歳だった1965年に渡英。当初はメディアの仕事を目指したが、やがて厩舎に入り、パット・ロハン調教師、ダグ・スミス調教師、トム・ジョーンズ調教師の下で研鑽を積んだ後、1972年に26歳で独立。同年4月28日、父の所有するサンダルで初勝利を挙げた。
以降の活躍は目覚ましく、シャーガー(1981年)、シャーラスタニ(1986年)、クリスキン(2003年)、ノースライト(2004年)、ワークフォース(2010年)で5勝を挙げるG1英ダービーを含め英クラシックは15勝。G1キングジョージ6世&クイーンエリザベスSもシャーガー(1981年)、オペラハウス(1993年)、ゴーラン(2002年)、コンデュイット(2009年)、ハービンジャー(2010年)、ポエッツワード(2018年)で6勝。
また、海外での活躍も顕著でG1凱旋門賞は2010年にワークフォースで優勝し、G1BCターフは1996年にピルサドスキー、シングスピールでワンツーを決めたほか、カラニシ(2000年)、コンデュイット(2008、09年)で計4勝。さらにG1ジャパンCはシングスピール、ピルサドスキーで1996、97年と連覇し、ドバイワールドCも1997年(当時はG格付けなし)にシングスピールで制している。
英チャンピオントレーナーは1981年、 1986年、1989年、1994年、1997年、2000年、2003年、2005年、2006年、2009年の計10回。2018年には故ヘンリー・セシル調教師が持っていたロイヤルアスコット開催における歴代最多勝記録(75勝)を塗り替えた(2020年終了時点で81勝)。1998年には「サー」の爵位をエリザベス女王(2013年にはスタウト厩舎に所属した所有馬エスティメイトでG1英ゴールドCに優勝)から授与されている。
近年のG1勝ち
2020年
なし
2019年
ファルマスS(イギリス):ヴァレイシャス
プリンスオブウェールズS(イギリス):クリスタルオーシャン
ロッキンジS(イギリス):マスタシュリー
2018年
BCマイル(アメリカ):エキスパートアイ
キングジョージ6世&クイーンエリザベスS(イギリス):ポエッツワード
コモンウェルスC(イギリス):エクティダール
プリンスオブウェールズS(イギリス):ポエッツワード
2017年
英インターナショナルS(イギリス):ユリシーズ
エクリプスS(イギリス):ユリシーズ
2016年
BCフィリー&メアターフ(アメリカ):クイーンズトラスト
文:秋山響(TPC)