03/18 12:24
ヘファナン騎手、オブライエン厩舎との30年近い蜜月に終止符
プロフィール
21世紀に入り日本調教馬の海外遠征も身近に感じられるものとなったが、交流機会の増加とともに、来日経験がないまま日本の競馬ファンの間で認知度を高めた外国の名馬も少なくない。その代表格と言えるのがハイランドリールで、日本調教馬とは計6回に渡って対戦。互角の勝負を演じる一方で世界に冠たる大レースも次々と制した。
ハイランドリールと日本調教馬の対戦歴は、2016年のドバイシーマクラシックを手始めに同年のクイーンエリザベス2世C、凱旋門賞、香港ヴァーズ、2017年のドバイSC、香港ヴァーズと2年間で6回に及んだ。それぞれで最先着した日本調教馬と比較すると、通算成績は2勝4敗と日本調教馬が勝ち越している。日本調教馬にとって手の届かない存在ではなかった。
その一方で、ハイランドリールは引退するまでに7か国でレースを経験し、通算成績こそ27戦10勝(2着6回)と勝率5割に満たないながら、G1レースを計7勝した。その中には世界最高峰に数えられるキングジョージ6世&クイーンエリザベスSやブリーダーズカップターフ、ロイヤルアスコット開催のプリンスオブウェールズSも含まれる。日本調教馬が未勝利で、今なお高い壁となってそびえているプレミアムなレースだ。
また、香港ヴァーズは2015年と2017年に2勝。2016年は2着に敗れたため、3連覇は果たせなかったが、その夢を砕いたのは日本のサトノクラウンだった。2019年現在、香港ヴァーズの3年連続連対はレース史上唯一の記録となっている。
ハイランドリールはアイルランド調教馬でありながら堅めの良馬場が得意条件だった。スピードと決め手を生かすスタイルは日本調教馬に通じるもので、そうした個性の一致が対戦機会につながった一因かもしれない。しかし、日本調教馬には真似できない特性も備えていた。3歳時の2015年には本拠地のアイルランドからフランス、英国、アメリカ、オーストラリア、そして香港と7か月間で6か国を転戦。明け4歳初戦ではドバイに遠征し、1年足らずで7か国を巡った。
そして、そのタフネスこそがハイランドリールの真骨頂だった。2016年は6月から半年で5か国を転戦。7月にキングジョージを快勝すると、10月の凱旋門賞でレコード駆けの僚友ファウンドの2着、続くBCターフではファウンドらを寄せつけず逃げ切った。激闘続きで迎えた12月の香港ヴァーズではサトノクラウンの強襲に半馬身屈したが、それでも3着馬を6馬身余り離した。
2017年の香港ヴァーズで有終の美を飾ったハイランドリールは、欧州調教馬として史上最高(当時)の生涯獲得賞金751万3355ポンドを達成して種牡馬入りしている。現役時代は日本で雄姿を見られなかったハイランドリールだが、2世たちが日本で活躍する日を楽しみにしているファンは多いはずだ。
開催日 | 場所 | レース名 | 動画 | 着順 | 騎手 | トラック | 距離 | 馬場状態 |
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2017/12/10 | シャティン | 香港ヴァーズ(G1) | 1 | R.ムーア | 芝 | 2400 | 良 | |
2017/11/04 | デルマー | ブリーダーズカップターフ(G1) | 3 | R.ムーア | 芝 | 2400 | 良 | |
2017/10/21 | アスコット | 英チャンピオンステークス(G1) | 3 | R.ムーア | 芝 | 1990 | 重 | |
2017/07/29 | アスコット | キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス(G1) | 4 | R.ムーア | 芝 | 2390 | 稍重 | |
2017/06/21 | アスコット | プリンスオブウェールズステークス(G1) | 1 | R.ムーア | 芝 | 1990 | 良 | |
2017/06/02 | エプソム | コロネーションカップ(G1) | 1 | R.ムーア | 芝 | 2410 | 良 | |
2017/03/25 | メイダン | ドバイシーマクラシック(G1) | 7 | R.ムーア | 芝 | 2410 | 稍重 | |
2016/12/11 | シャティン | 香港ヴァーズ(G1) | 2 | R.ムーア | 芝 | 2400 | 良 | |
2016/11/05 | サンタアニタパーク | ブリーダーズカップターフ(G1) | 1 | S.ヘファナン | 芝 | 2400 | 良 | |
2016/10/02 | シャンティイ | 凱旋門賞(G1) | 2 | S.ヘファナン | 芝 | 2400 | 良 | |
2016/09/10 | レパーズタウン | アイリッシュチャンピオンステークス(G1) | 7 | C.オドノヒュー | 芝 | 2000 | 良 | |
2016/08/17 | ヨーク | 英インターナショナルステークス(G1) | 2 | S.ヘファナン | 芝 | 2080 | 良 | |
2016/07/23 | アスコット | キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス(G1) | 1 | R.ムーア | 芝 | 2400 | 良 | |
2016/06/18 | アスコット | ハードウィックステークス(G2) | 2 | S.ヘファナン | 芝 | 2400 | 稍重 | |
2016/04/24 | シャティン | クイーンエリザベス2世カップ(G1) | 8 | R.ムーア | 芝 | 2000 | 稍重 | |
2016/03/26 | メイダン | ドバイシーマクラシック(G1) | 4 | R.ムーア | 芝 | 2410 | 良 | |
2015/12/13 | シャティン | 香港ヴァーズ(G1) | 1 | R.ムーア | 芝 | 2400 | 良 | |
2015/10/24 | ムーニーバレー | コックスプレート(G1) | 3 | R.ムーア | 芝 | 2040 | 良 | |
2015/09/12 | レパーズタウン | アイリッシュチャンピオンステークス(G1) | 5 | J.オブライエン | 芝 | 2000 | 稍重 | |
2015/08/15 | アーリントンパーク | セクレタリアトステークス(G1) | 1 | S.ヘファナン | 芝 | 2000 | 良 | |
2015/07/29 | グッドウッド | ゴードンステークス(G3) | 1 | J.オブライエン | 芝 | 2400 | 良 | |
2015/06/27 | カラ | 愛ダービー(G1) | 5 | R.ムーア | 芝 | 2400 | 良 | |
2015/05/31 | シャンティイ | 仏ダービー(G1) | 2 | J.オブライエン | 芝 | 2100 | 良 | |
2015/05/10 | ロンシャン | 仏2000ギニー(G1) | 6 | R.ムーア | 芝 | 1600 | 稍重 | |
2014/07/30 | グッドウッド | ヴィンテージステークス(G2) | 1 | J.オブライエン | 芝 | 1400 | 良 | |
2014/07/01 | ゴウランパーク | 未勝利戦 | 1 | J.オブライエン | 芝 | 1600 | 良 | |
2014/06/12 | レパーズタウン | 未勝利戦 | 2 | S.ヘファナン | 芝 | 1400 | 良 |
距離 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 出走回数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
~1400m | 1 | 1 | 0 | 0 | 2 | 50% | 100% | 100% |
1401m~1800m | 1 | 0 | 0 | 1 | 2 | 50% | 50% | 50% |
1801m~2100m | 2 | 2 | 2 | 3 | 9 | 22% | 44% | 67% |
2101m~ | 6 | 3 | 1 | 4 | 14 | 43% | 64% | 71% |
馬場状態 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 出走回数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
良馬場 | 10 | 5 | 2 | 3 | 20 | 50% | 75% | 85% |
稍重馬場 | 0 | 1 | 0 | 5 | 6 | 0% | 17% | 17% |
重馬場 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0% | 0% | 100% |
不良馬場 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0% | 0% | 0% |