1984年のブリーダーズカップ（BC）創設時から施行され、12ハロン（2400m）のターフとともにBCにおける芝のレースをけん引してきた。ただ、ターフは欧州調教馬が優勢なのに対し、8ハロン（1600m）のマイルはアメリカ調教馬（21勝）が欧州勢（19勝）に対して互角以上の戦績を残し、牝馬の活躍が目立つ点も異なっている。

1984年の第1回を制したのは英国の牝馬ロイヤルヒロインで、フランスの牝馬ミエスクは1987年と1988年にBC開催史上初の連覇を達成。1988年の4馬身差はBCマイルの着差記録にもなっている。また、フランスの牝馬ゴルディコヴァは2008年から2010年にかけてBC開催唯一の3連覇を成し遂げた。

これに対して地元・アメリカ勢はルアー（1992、1993年）とワイズダン（2012、2013年）が連覇、ダホスは1996年と1998年に計2勝を記録。前出の欧州勢と合わせ、マイルはBC開催において最も多く連覇が記録されている。

なお、ミエスクに関しては孫の代に当たるアメリカ調教馬ミエスクズアプルーヴァル（2006年）、日本産のひ孫でフランス調教馬カラコンティ（2014年）もBCマイルを制覇と、BCマイルというレースに世界規模の功績を残した。

最速の勝ち時計は2016年のツーリストによる1分31秒71（サンタアニタパーク競馬場）。騎手の最多勝利はO.ペリエとJ.ヴェラスケス、W.ビュイック、調教師はF.ヘッドとC.アップルビーの各3勝で、元騎手のヘッド師はミエスクの鞍上としても2勝している。2020年は補欠から繰り上がり出走のオーダーオブオーストラリアが優勝し、BCマイル記録となる74.20倍の単勝配当で波乱を呼んだ。

これまでに日本調教馬は2頭が遠征し、2021年に初遠征したヴァンドギャルドはスタート直後に受けた不利の影響が大きく12着。2023年のソングラインは現地発売で1番人気の支持を集めたものの5着に終わった。

※2000年以降を記載