直近の参戦機会で7戦5勝、日本調教馬はレースを支配する存在に
日本調教馬はドバイターフ(当時はドバイデューティフリー)がG1に昇格した前年の2001年にイーグルカフェが初参戦。それから2006年までに、同じ芝G1のドバイシーマクラシックともども計3頭が遠征したが、シーマクラシックで2勝を記録した一方、ターフでは9着が最高と対照的な結果になっていた。
しかし、2007年にはアドマイヤムーンとダイワメジャーの2頭が遠征し、アドマイヤムーンが初優勝。ダイワメジャーも3着に善戦して2頭が同時に入着を果たし、シーマクラシックとは異なる形の成果を出した。その後は遠征そのものが散発的だったこともあり、再び上位争いから遠ざかることになったが、そうした状況が2014年を境に一変する。
それまでの沈黙を破るように過去最多の3頭が遠征した日本勢は、ジャスタウェイがレース史上最大の6馬身1/4差を開くと同時に、従来の時計を2秒余り短縮する1分45秒52のトラックレコードを叩き出して圧勝。現在も残る2つの快記録を刻んで日本に2勝目をもたらす。その圧倒的なパフォーマンスはレーティング130に評価され、2014年のロンジンワールドベストレースホースランキング首位にも輝いた。
これを契機に日本調教馬の参戦頭数と成績が飛躍的に伸張し、2016年にはリアルスティールが待望のG1初制覇。続く2017年はリアルスティールが現地入り後に出走取消のアクシデントに見舞われるも、もう1頭遠征していたヴィブロスが後の欧州マイルG1レース3勝馬リブチェスターらを一蹴し、日本勢はジャスタウェイから出走機会3連勝を果たす。また、2018年は勝利こそならなかったものの、ヴィブロスが2着、リアルスティールとディアドラも3着同着で実力を示した。
さらに、2019年には世界的な名声を得ていたアーモンドアイが下馬評通りに快勝すると、ヴィブロスも2着で3年連続の連対を果たし、日本調教馬による初のワンツーフィニッシュを決める。また、コロナ禍による2020年の開催中止を経た2021年もヴァンドギャルドが2着を確保した。
そして、2022年はパンサラッサが前年の覇者ロードノースと史上初の同着優勝。わずかハナ差の3着にもヴァンドギャルドが迫る熱戦を演じるなど、日本調教馬は2014年以降の参戦機会で7回連続の連対、合計5勝と今や支配的な存在となっている。
年 | 馬名 | 性齢 | 着順 | 騎手 | 調教師 |
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2022 | パンサラッサ | 牡5 | 1 | 吉田豊 | 矢作芳人 |
ヴァンドギャルド | 牡6 | 3 | M.バルザローナ | 藤原英昭 | |
シュネルマイスター | 牡4 | 8 | C.ルメール | 手塚貴久 | |
2021 | ヴァンドギャルド | 牡5 | 2 | M.バルザローナ | 藤原英昭 |
2019 | アーモンドアイ | 牝4 | 1 | C.ルメール | 国枝栄 |
ヴィブロス | 牝6 | 2 | M.バルザローナ | 友道康夫 | |
ディアドラ | 牝5 | 4 | J.モレイラ | 橋田満 | |
2018 | ヴィブロス | 牝5 | 2 | C.デムーロ | 友道康夫 |
リアルスティール | 牡6 | 3 | M.バルザローナ | 矢作芳人 | |
ディアドラ | 牝4 | 3 | C.ルメール | 橋田満 | |
クロコスミア | 牝5 | 7 | 岩田康誠 | 西浦勝一 | |
ネオリアリズム | 牡7 | 8 | J.モレイラ | 堀宣行 | |
2017 | ヴィブロス | 牝4 | 1 | J.モレイラ | 友道康夫 |
2016 | リアルスティール | 牡4 | 1 | R.ムーア | 矢作芳人 |
2014 | ジャスタウェイ | 牡5 | 1 | 福永祐一 | 須貝尚介 |
ロゴタイプ | 牡4 | 6 | C.デムーロ | 田中剛 | |
トウケイヘイロー | 牡5 | 7 | 武豊 | 清水久詞 | |
2012 | ダークシャドウ | 牡5 | 9 | 福永祐一 | 堀宣行 |
2009 | ウオッカ | 牝5 | 7 | 武豊 | 角居勝彦 |
2008 | ウオッカ | 牝4 | 4 | 武豊 | 角居勝彦 |
アドマイヤオーラ | 牡4 | 9 | 安藤勝己 | 松田博資 | |
2007 | アドマイヤムーン | 牡4 | 1 | 武豊 | 松田博資 |
ダイワメジャー | 牡6 | 3 | 安藤勝己 | 上原博之 | |
2006 | ハットトリック | 牡5 | 12 | O.ペリエ | 角居勝彦 |
アサクサデンエン | 牡7 | 16 | 武豊 | 河野通文 | |
2001 | イーグルカフェ | 牡4 | 9 | 武豊 | 小島太 |