凱旋門賞(G1)
2026年10月4日 (日) 23:05[現地時間 2026年10月4日 (日) 16:05]
フランス パリロンシャン競馬場
芝右2400m 3歳以上 牡・牝
負担重量:4歳以上=牡馬59.5kg、牝馬 58kg 3歳=牡馬 56.5kg、牝馬 55㎏
賞金総額:500万ユーロ(約9億円)
1着賞金:285万7000ユーロ(約5億1426万円)
※1ユーロ=180円で換算
凱旋門賞の舞台、ロンシャン競馬場(現パリロンシャン競馬場)は1857年に開場した。これを機に、フランス馬種改良奨励協会は競馬の国際化と優秀な競走馬の発掘を目指す構想を進める。支援者だったモルニー公の提唱により、まずはフランスとイギリスのダービー馬を競わせることを目的とした3歳馬限定のパリ大賞を1863年に創設。そして1893年には、2つ目の国際レースとして3歳馬と年長馬が対戦する別定戦のコンセイユミュニシパル賞(現コンセイユドゥパリ賞)を設けた。
しかし、これらの活動と前後して普仏戦争(1870~1871年)や第一次世界大戦(1914~1918年)が勃発し、フランスの競馬は開催中止に追い込まれるなど大きな打撃を受けた。大戦終結後の1920年、奨励協会は衰退した競馬産業の再生を目指して新たなレースを企画する。コンセイユミュニシパル賞と同じ距離で、馬齢に応じて斤量を定める公平な条件のもと、3歳馬と年長馬が競う国際レース──このコンセプトが現在の凱旋門賞となった。
レース名の由来にも、フランスの歴史が深く関わっている。1919年7月14日、第一次世界大戦の連合軍は、戦勝記念碑であるエトワール凱旋門の周辺を勇壮にパレードした。この光景に新設レースを華々しくアピールしたい奨励協会の狙いが重なり、1882年から条件戦で使用されていた「凱旋門賞」の名称を新レースに採用。1920年10月3日に記念すべき最初のレースが行われた。
その後もフランス競馬は戦乱の影響を受け、凱旋門賞は第二次世界大戦の1939年と1940年に開催中止となる一方、1943年と1944年にはトレンブレー競馬場の2300mで代替開催されている。これら以外では、ロンシャン競馬場の大規模改修に伴い、2016年と2017年にシャンティイ競馬場で実施。改修後にはパリロンシャン競馬場へと改名された。
2025年まで104回を数える凱旋門賞において、優勝争いでは70勝を挙げる地元のフランス勢が圧倒的優勢。長らく中心を担ってきたのは3歳牡馬だったが、2005年にフランスダービーの距離が2400mから2100mへ短縮されたことを境に未勝利が続いた。その後、2023年に仏ダービー馬エースインパクトが3歳牡馬として2006年のレイルリンク以来となる優勝を飾ると、2025年はクラシック未出走のダリズが制すなど復権の兆しを見せている。
フランス以外の勝利数では、英国(17勝)、アイルランド(8勝)、イタリア(6勝)、ドイツ(3勝)に限られる。欧州域外の国は優勝馬を輩出しておらず、2着を含めても日本のエルコンドルパサー(1999年)、ナカヤマフェスタ(2010年)、オルフェーヴル(2012、2013年)、ニュージーランドのバルメリーノ(1977年)の4頭、計5回にとどまる。
日本調教馬は2025年までに35頭が計38戦しているが、最高成績は前述の3頭による2着。これ以外に5着以内に入ったのは、2013年のキズナと2023年のスルーセブンシーズ(ともに4着)、2025年のビザンチンドリーム(5着)の3頭しかいない。2006年のディープインパクトは3位入線を果たしたものの、後に失格となった。
複数回の優勝を果たした馬は8頭。クサール(1921、1922年)、コリーダ(1936、1937年)、タンティエーム(1950、1951年)、リボー(1955、1956年)、アレッジド(1977、1978年)、トレヴ(2013、2014年)、エネイブル(2017、2018年)が連覇を達成し、モトリコ(1930、1932年)も2勝を挙げている。3勝以上を記録した馬はまだ存在しない。
人物別では、騎手のL.デットーリが6勝、調教師のA.ファーブルが8勝を挙げ、それぞれ最多勝記録を保持している。
レースレコードは2016年のシャンティイ開催でファウンドが記録した2分23秒61。パリロンシャン競馬場での最速タイムは、2011年にデインドリームがマークした2分24秒49となっている。
なお、2025年から指定レース(アーク・レース)の優勝馬に凱旋門賞の優先出走権(ワイルドカード)を付与する制度が導入された。対象は仏ダービー、仏オークス、サンクルー大賞、パリ大賞、ジャン&ルイロマネ賞、ヴェルメイユ賞、フォワ賞、ニエル賞の8競走。優勝馬には凱旋門賞の登録料(8300ユーロ)が返還され、予備登録を行っていなかった馬は追加登録料(12万ユーロ)が免除される。さらに、2027年からはセン馬も出走可能になることが発表されている。
| レース日 | 調教国 | 馬名 | 性齢 | 騎手 | 調教師 | タイム |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2025年10月5日 | フランスフランス | ダリズ | 牡3 | M.バルザローナ | F.グラファール | 2:29:17 |
| 2024年10月6日 | イギリスイギリス | ブルーストッキング | 牝4 | R.ライアン | R.ベケット | 2:31:58 |
| 2023年10月1日 | フランスフランス | エースインパクト | 牡3 | C.デムーロ | JC.ルジェ | 2:25:50 |
| 2022年10月2日 | イギリスイギリス | アルピニスタ | 牝5 | L.モリス | M.プレスコット | 2:35:71 |
| 2021年10月3日 | ドイツドイツ | トルカータータッソ | 牡4 | R.ピーチュレク | M.ヴァイス | 2:37:62 |
| 2020年10月4日 | フランスフランス | ソットサス | 牡4 | C.デムーロ | JC.ルジェ | 2:39:30 |
| 2019年10月6日 | フランスフランス | ヴァルトガイスト | 牡5 | P.ブドー | A.ファーブル | 2:31:97 |
| 2018年10月7日 | イギリスイギリス | エネイブル | 牝4 | L.デットーリ | J.ゴスデン | 2:29:24 |
| 2017年10月1日 | イギリスイギリス | エネイブル | 牝3 | L.デットーリ | J.ゴスデン | 2:28:69 |
| 2016年10月2日 | アイルランドアイルランド | ファウンド | 牝4 | R.ムーア | A.オブライエン | 2:23:61 |
| 2015年10月4日 | イギリスイギリス | ゴールデンホーン | 牡3 | L.デットーリ | J.ゴスデン | 2:27:23 |
| 2014年10月5日 | フランスフランス | トレヴ | 牝4 | T.ジャルネ | C.ヘッドマーレック | 2:26:05 |
| 2013年10月6日 | フランスフランス | トレヴ | 牝3 | T.ジャルネ | C.ヘッドマーレック | 2:32:04 |
| 2012年10月7日 | フランスフランス | ソレミア | 牝4 | O.ペリエ | C.ラフォンパリアス | 2:37:68 |
| 2011年10月2日 | ドイツドイツ | デインドリーム | 牝3 | A.シュタルケ | P.シールゲン | 2:24:49 |
| 2010年10月3日 | イギリスイギリス | ワークフォース | 牡3 | R.ムーア | M.スタウト | 2:35:30 |
| 2009年10月4日 | アイルランドアイルランド | シーザスターズ | 牡3 | M.キネーン | J.オックス | 2:26:30 |
| 2008年10月5日 | フランスフランス | ザルカヴァ | 牝3 | C.スミヨン | A.ドゥロワイエデュプレ | 2:28:80 |
| 2007年10月7日 | アイルランドアイルランド | ディラントーマス | 牡4 | K.ファロン | A.オブライエン | 2:28:50 |
| 2006年10月1日 | フランスフランス | レイルリンク | 牡3 | S.パスキエ | A.ファーブル | 2:26:30 |
| 2005年10月2日 | フランスフランス | ハリケーンラン | 牡3 | K.ファロン | A.ファーブル | 2:27:40 |
| 2004年10月3日 | フランスフランス | バゴ | 牡3 | T.ジレ | J.ピース | 2:25:00 |
| 2003年10月5日 | フランスフランス | ダラカニ | 牡3 | C.スミヨン | A.ドゥロワイエデュプレ | 2:32:30 |
| 2002年10月6日 | イギリスイギリス | マリエンバード | 牡5 | L.デットーリ | S.ビン・スルール | 2:26:70 |
| 2001年10月7日 | イギリスイギリス | サキー | 牡4 | L.デットーリ | S.ビン・スルール | 2:36:10 |
| 2000年10月1日 | アイルランドアイルランド | シンダー | 牡3 | J.ムルタ | J.オックス | 2:25:80 |
※2000年以降を記載
※2016年と2017年はシャンティイ競馬場開催
| 年 | 馬名 | 着順 | 性齢 | 騎手 | 調教師 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2025 | ビザンチンドリーム | 5 | 牡4 | O.マーフィー | 坂口智康 |
| クロワデュノール | 14 | 牡3 | 北村友一 | 斉藤崇史 | |
| アロヒアリイ | 16 | 牡3 | C.ルメール | 田中博康 | |
| 2024 | シンエンペラー | 12 | 牡3 | 坂井瑠星 | 矢作芳人 |
| 2023 | スルーセブンシーズ | 4 | 牝5 | C.ルメール | 尾関知人 |
| 2022 | タイトルホルダー | 11 | 牡4 | 横山和生 | 栗田徹 |
| ステイフーリッシュ | 14 | 牡7 | C.ルメール | 矢作芳人 | |
| ディープボンド | 18 | 牡5 | 川田将雅 | 大久保龍志 | |
| ドウデュース | 19 | 牡3 | 武豊 | 友道康夫 | |
| 2021 | クロノジェネシス | 7 | 牝5 | O.マーフィー | 斉藤崇史 |
| ディープボンド | 14 | 牡4 | M.バルザローナ | 大久保龍志 | |
| 2020 | ディアドラ | 8 | 牝6 | J.スペンサー | 橋田満 |
| 2019 | キセキ | 7 | 牡5 | C.スミヨン | 角居勝彦 |
| ブラストワンピース | 11 | 牡4 | 川田将雅 | 大竹正博 | |
| フィエールマン | 12 | 牡4 | C.ルメール | 手塚貴久 | |
| 2018 | クリンチャー | 17 | 牡4 | 武豊 | 宮本博 |
| 2017 | サトノダイヤモンド | 15 | 牡4 | C.ルメール | 池江泰寿 |
| サトノノブレス | 16 | 牡7 | 川田将雅 | 池江泰寿 | |
| 2016 | マカヒキ | 14 | 牡3 | C.ルメール | 友道康夫 |
| 2014 | ハープスター | 6 | 牝3 | 川田将雅 | 松田博資 |
| ジャスタウェイ | 8 | 牡5 | 福永祐一 | 須貝尚介 | |
| ゴールドシップ | 14 | 牡5 | 横山典弘 | 須貝尚介 | |
| 2013 | オルフェーヴル | 2 | 牡5 | C.スミヨン | 池江泰寿 |
| キズナ | 4 | 牡3 | 武豊 | 佐々木晶三 | |
| 2012 | オルフェーヴル | 2 | 牡4 | C.スミヨン | 池江泰寿 |
| アヴェンティーノ | 17 | 牡8 | A.クラストゥス | 池江泰寿 | |
| 2011 | ヒルノダムール | 10 | 牡4 | 藤田伸二 | 昆貢 |
| ナカヤマフェスタ | 11 | 牡5 | 蛯名正義 | 二ノ宮敬宇 | |
| 2010 | ナカヤマフェスタ | 2 | 牡4 | 蛯名正義 | 二ノ宮敬宇 |
| ヴィクトワールピサ | 7 | 牡3 | 武豊 | 角居勝彦 | |
| 2008 | メイショウサムソン | 10 | 牡5 | 武豊 | 高橋成忠 |
| 2006 | ディープインパクト | 失格 | 牡4 | 武豊 | 池江泰郎 |
| 2004 | タップダンスシチー | 17 | 牡7 | 佐藤哲三 | 佐々木晶三 |
| 2002 | マンハッタンカフェ | 13 | 牡4 | 蛯名正義 | 小島太 |
| 1999 | エルコンドルパサー | 2 | 牡4 | 蛯名正義 | 二ノ宮敬宇 |
| 1986 | シリウスシンボリ | 14 | 牡4 | M.フィリッペロン | 二本柳俊夫 |
| 1972 | メジロムサシ | 18 | 牡5 | 野平祐二 | 大久保末吉 |
| 1969 | スピードシンボリ | 着外 | 牡6 | 野平祐二 | 野平省三 |