香港カップ
2022/12/11(日) 17:40発走 シャティン競馬場
日本調教馬が3連覇中、世界のG1レースで最も好相性の一つ
香港カップにおける日本調教馬はG1昇格後に6勝、G2時代も含むと計8勝。目下3連勝中と香港国際競走4レースの中で最も得意としているだけでなく、海外のG1レースではドバイターフ(6勝)と並んで最多の勝利数を記録している。
日本調教馬の遠征は1993年のナリタチカラが先鞭をつけ、G2時代の1995年にフジヤマケンザンが初制覇。1998年にもミッドナイトベットが2勝目を挙げ、日本馬の海外遠征が現在ほど盛んではなかった時代に、ノウハウの蓄積という面でも大きな役割を果たした。
しかし、1999年のG1昇格を受けて出走馬のレベルが一段と上がり、その後は10年以上にわたって同じ調教国の連覇がない群雄割拠の時代に突入。日本は2001年にアグネスデジタルが優勝し、1990年代の好調な流れを引き継いだものの、それを最後に一転して世界の壁に跳ね返される状態に陥った。
2011年からは地元の香港勢が4連覇と着実にレベルアップを果たし、スプリントやマイルのように遠征馬を圧倒しはじめたが、そうした流れに楔を打ち込んだのが2015年のエイシンヒカリだった。武豊騎手の巧みなペース判断に導かれたエイシンヒカリは、緩みのないラップを刻んで後続を完封。レースレコードを叩き出す鮮やかな逃げ切りで日本に14年ぶりの勝利をもたらした。
続く2016年もモーリスが圧巻の末脚で3馬身突き抜け、日本調教馬が初の連覇を達成すると潮目は大きく変わった。2017年、2018年と香港馬に反撃を許したものの、それぞれネオリアリズムが3着(2017年)、ディアドラは2着(2018年)に善戦して存在感を示し、2019年には単騎参戦のウインブライトが短アタマ差の接戦を制して同年4月のクイーンエリザベス2世Cとのダブル制覇を達成した。
2020年はウインブライトの連覇を阻止したノームコアが日本の牝馬として初勝利。ウインブライトが前年に更新したレースレコードをさらに更新するとともに、日本調教馬は2015年(エイシンヒカリとヌーヴォレコルト)以来となる2度目のワンツーフィニッシュを決めた。そして、2021年もラヴズオンリーユーが1番人気に応えて日本馬は3連覇。2着もヒシイグアスで3度目のワンツーと黄金期を迎えている。
年 | 馬名 | 性齢 | 着順 | 騎手 | 調教師 |
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2021 | ラヴズオンリーユー | 牝5 | 1 | 川田将雅 | 矢作芳人 |
ヒシイグアス | 牡5 | 2 | J.モレイラ | 堀宣行 | |
レイパパレ | 牝4 | 6 | C.スミヨン | 高野友和 | |
2020 | ノームコア | 牝5 | 1 | Z.パートン | 萩原清 |
ウインブライト | 牡6 | 2 | 松岡正海 | 畠山吉宏 | |
ダノンプレミアム | 牡5 | 4 | W.ビュイック | 中内田充正 | |
2019 | ウインブライト | 牡5 | 1 | 松岡正海 | 畠山吉宏 |
2018 | ディアドラ | 牝4 | 2 | C.ルメール | 橋田満 |
サングレーザー | 牡4 | 4 | J.モレイラ | 浅見秀一 | |
ステファノス | 牡7 | 9 | W.ビュイック | 藤原英昭 | |
2017 | ネオリアリズム | 牡6 | 3 | J.モレイラ | 堀宣行 |
ステファノス | 牡6 | 4 | H.ボウマン | 藤原英昭 | |
スマートレイアー | 牝7 | 5 | 武豊 | 大久保龍志 | |
2016 | モーリス | 牡5 | 1 | R.ムーア | 堀宣行 |
ステファノス | 牡5 | 3 | C.スミヨン | 藤原英昭 | |
ラブリーデイ | 牡6 | 4 | H.ボウマン | 池江泰寿 | |
クイーンズリング | 牝4 | 9 | M.デムーロ | 吉村圭司 | |
エイシンヒカリ | 牡5 | 10 | 武豊 | 坂口正則 | |
2015 | エイシンヒカリ | 牡4 | 1 | 武豊 | 坂口正則 |
ヌーヴォレコルト | 牝4 | 2 | R.ムーア | 斎藤誠 | |
ステファノス | 牡4 | 10 | 戸崎圭太 | 藤原英昭 | |
サトノアラジン | 牡4 | 11 | J.マクドナルド | 池江泰寿 | |
2014 | アルキメデス | 牡5 | 7 | 岩田康誠 | 藤原英昭 |
2013 | トウケイヘイロー | 牡4 | 2 | 武豊 | 清水久詞 |
2009 | クィーンスプマンテ | 牝5 | 10 | 田中博康 | 小島茂之 |
2007 | シャドウゲイト | 牡5 | 5 | 田中勝春 | 加藤征弘 |
2006 | アドマイヤムーン | 牡3 | 2 | 武豊 | 松田博資 |
ディアデラノビア | 牝4 | 7 | 福永祐一 | 角居勝彦 | |
2004 | ダンスインザムード | 牝3 | 13 | O.ペリエ | 藤沢和雄 |
2003 | エイシンプレストン | 牡6 | 7 | 福永祐一 | 北橋修二 |
マグナーテン | セ7 | 13 | K.デザーモ | 藤沢和雄 | |
2002 | エイシンプレストン | 牡5 | 5 | 福永祐一 | 北橋修二 |
2001 | アグネスデジタル | 牡4 | 1 | 四位洋文 | 白井寿昭 |
1999 | エアジハード | 牡4 | 取消 | 伊藤正徳 | |
1998 | ミッドナイトベット | 牡4 | 1 | 河内洋 | 長浜博之 |
1997 | サイレンススズカ | 牡3 | 5 | 武豊 | 橋田満 |
1996 | シーズグレイス | 牝3 | 9 | 福永祐一 | 森秀行 |
1995 | フジヤマケンザン | 牡7 | 1 | 蛯名正義 | 森秀行 |
1994 | フジヤマケンザン | 牡6 | 4 | 蛯名正義 | 森秀行 |
1993 | ナリタチカラ | 牡5 | 7 | 武豊 | 大久保正陽 |