ブリーダーズカップ（BC）はケンタッキー州でゲインズウェイ・ファームを経営するジョン・ゲインズ氏が発起人となって創設され、1984年11月10日にカリフォルニア州のハリウッドパーク競馬場（2013年に閉場）で7レースが施行された。

その中でもクラシックはケンタッキーダービーと同じダート10ハロンを舞台とする開催のメーンレースに位置し、チャンピオン決定戦と評すにふさわしい役割を担ってきた。歴代優勝馬にはエクリプス賞年度代表馬の名前が多く見られる。

記念すべき第1回は直線で3頭が馬体を接触させながら追いくらべを展開し、10分に及ぶ審議の末に決着。単勝32倍のワイルドアゲインが勝利をさらっていきなりドラマを生んだ。2000年と2001年のティズナウ（連覇）、2009年のゼニヤッタ（牝馬）、2015年アメリカンファラオはKYダービーなどの三冠と合わせて“グランドスラム”と、それぞれ唯一のレース記録を刻んでいる。

また、1993年に優勝したフランスからの遠征馬アルカングの単勝134.60倍は、2023年までに計45頭を数える単勝101倍以上の出走馬で唯一の勝利。1987年にファーディナンドで制したW.シューメーカー騎手の最高齢（56歳）とともにBC記録として残っている。

なお、米国外からの優勝は前記のアルカングと英国のレイヴンズパス（2008年）の2頭だが、伝統的なダートでの優勝はアルカングのみ。レイヴンズパスと牝馬で唯一の勝利を挙げたゼニヤッタは当時の米国で採用が進んでいたオールウェザー馬場だった。

競馬場の持ち回り方式で行われるBCには公式のレコードタイムは存在せず、BCクラシックにおける最速の勝ち時計は2004年のゴーストザッパーによる1分59秒02（ローンスターパーク競馬場）で、最大着差は2022年のフライトラインによる8馬身1/4差。騎手の最多勝利はC.マッキャロンとJ.ベイリーの各5勝、調教師はB.バファートの4勝となっている。

日本調教馬は1996年にタイキブリザードが初挑戦し、翌年の同馬を含め6頭が計7回出走。2023年にデルマソトガケが歴代最高の2着に善戦した。

※2000年以降を記載