08/20 18:30
フランス・アルカナ社セールで山本英俊オーナーがキングマン産駒など良血馬3頭を落札
プロフィール
21世紀を迎えて日本の競走馬が世界を舞台に次々と成果を上げはじめ、条件によっては世界一と称されるまでになった。そして、世界に認められ、求められる良質な遺伝子の輸出という難事業でブレークスルーを果たしたのがディープインパクト産駒のサクソンウォリアー。2018年に競馬発祥の地、英国で2000ギニー制覇を成し遂げ、日本競馬が世界標準となるための最後のピースを埋めた。
サクソンウォリアーが現れる以前にも、日本に縁のある競走馬が欧州の大レースを勝った例はある。ディープインパクト産駒のビューティーパーラーが仏1000ギニーを制したのをはじめ、日本生まれのカラコンティは仏2000ギニーを、ディヴァインライト産駒のナタゴラも英1000ギニーを勝つなどしていた。しかし、それらは日本で交配されてから外国で生まれるか、あるいはその反対で、日本での競走歴もない馬たちだった。
それに対し、サクソンウォリアーには5戦無敗で欧州2歳女王となったクールモア所有の名牝メイビーが日本へ送られてディープインパクトと交配し、日本で誕生した背景がある。生後6か月ほどの乳離れのタイミングでアイルランドに送り返されたサクソンウォリアーは、2歳の8月末にデビュー戦を3馬身1/4差で完勝すると、次戦では出世レースとして名高いG2ベレスフォードSも2馬身半差で快勝。瞬く間に頭角を現してクラシック戦線を占うG1レーシングポストトロフィー(現フューチュリティT)へと駒を進めた。
そして、単勝2.6倍の1番人気に推されたサクソンウォリアーは初めての試練に直面する。発馬を決めて3、4番手追走から残り400mで手応え良く先頭をうかがうも、後方からロアリングライオンの強襲を受けて一時は半馬身ほど前に出られた。しかし、そこから勝負根性を発揮して差し返し、クビ差で逆転勝ちを飾った。闘志あふれる走りでクラシックへの登竜門を連勝したサクソンウォリアーは、翌年の英ダービーに向けて前売り1番人気へと評価を高めた。
明け3歳を迎えたサクソンウォリアーは前哨戦を使わず英2000ギニーに直行した。レース2日前の出馬投票の段階では僚馬グスタフクリムトと並び単勝6倍で1番人気だったが、当日は4倍で2番人気に。そして、レースでは後方から徐々に進出すると残り2ハロンで馬場の中央を一気に抜け出す鮮やかな勝利を飾った。完ぺきな勝ちっぷりに加えてオブライエン師が当初からダービー向きと公言していたこともあり、レース直後にサクソンウォリアーの英ダービーにおける前売りオッズは2.1倍まで沸騰する。
ところが、無傷の4連勝で2000ギニーを制したサクソンウォリアーの快進撃もここまでだった。ダービーでは1999年のオースを最後に勝ち馬が出ていない1番枠に決定。2000ギニーと同日のケンタッキーダービーを制したジャスティファイが、3歳デビューの馬は勝てないという「アポロの呪い」を136年ぶりに解いたことから、ジンクスの克服を期待する声もあった。しかし、サクソンウォリアーは2000ギニーのような末脚を弾けさせることができず4着に完敗。最大の一番で初黒星を喫した。
巻き返しを期した愛ダービーでは英ダービー以上の人気を集めるも再び敗戦。その後は距離を10ハロンに短縮し、連闘で臨んだエクリプスSから英インターナショナルS、アイリッシュチャンピオンSと、レーシングポストTでねじ伏せたロアリングライオンに3連敗を喫する。のちにオブライエン師はエクリプスSの後にウイルス性疾患で体調を崩していたことを明かし、勝ち切れないレースが続いたのはその影響もあったためとの声もある。愛チャンピオンS後はマイルのクイーンエリザベス2世Sへと、さらに距離短縮を予定するも屈腱炎により現役引退を表明。引退に際してオブライエン師は、マイルがベストだった可能性に言及。自らの見込み違いを悔いるような発言をしている。
種牡馬入りしたサクソンウォリアーは、初年度産駒からBCジュベナイルターフ勝ちのヴィクトリアロードを筆頭に、3頭が2歳時に重賞制覇するなど上々のスタートを切った。
生年 | 2015 |
---|---|
性別 | 牡 |
毛色 | 鹿毛 |
父 | Deep Impact |
母 | Maybe |
母父 | Galileo |
調教師 | A.オブライエン |
生産者 | Orpendale, Chelston & Wynatt |
馬主 | クールモア |
通算成績 | 9戦4勝[4-2-1-2] |
開催日 | 場所 | レース名 | 動画 | 着順 | 騎手 | トラック | 距離 | 馬場状態 |
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2018/09/15 | レパーズタウン | アイリッシュチャンピオンステークス(G1) | 2 | R.ムーア | 芝 | 2000 | 良 | |
2018/08/22 | ヨーク | 英インターナショナルステークス(G1) | 4 | R.ムーア | 芝 | 2050 | 良 | |
2018/07/07 | サンダウン | エクリプスステークス(G1) | 2 | D.オブライエン | 芝 | 1990 | 良 | |
2018/06/30 | カラ | 愛ダービー(G1) | 3 | R.ムーア | 芝 | 2400 | 良 | |
2018/06/02 | エプソム | 英ダービー(G1) | 4 | R.ムーア | 芝 | 2410 | 良 | |
2018/05/05 | ニューマーケット | 英2000ギニー(G1) | 1 | D.オブライエン | 芝 | 1600 | 良 | |
2017/10/28 | ドンカスター | レーシングポストトロフィー(G1) | 1 | R.ムーア | 芝 | 1600 | 良 | |
2017/09/24 | ネース | ベレスフォードステークス(G2) | 1 | R.ムーア | 芝 | 1600 | 重 | |
2017/08/27 | カラ | 未勝利戦 | 1 | D.オブライエン | 芝 | 1600 | 稍重 |
距離 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 出走回数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
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~1400m | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0% | 0% | 0% |
1401m~1800m | 4 | 0 | 0 | 0 | 4 | 100% | 100% | 100% |
1801m~2100m | 0 | 2 | 0 | 1 | 3 | 0% | 67% | 67% |
2101m~ | 0 | 0 | 1 | 1 | 2 | 0% | 0% | 50% |
馬場状態 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 出走回数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
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良馬場 | 2 | 2 | 1 | 2 | 7 | 29% | 57% | 71% |
稍重馬場 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 100% | 100% | 100% |
重馬場 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 100% | 100% | 100% |
不良馬場 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0% | 0% | 0% |