ケンタッキーダービー(G1)
2026年5月3日 (日) 07:57[現地時間 2026年5月2日 (土) 18:57]
アメリカ チャーチルダウンズ競馬場
ダート左2000m 3歳
負担重量:負担重量:3歳=牡・セン馬 57kg、牝馬 55kg
賞金総額:500万米ドル(約7億7500万円)
1着賞金:310万米ドル(約4億8050万円)
※1米ドル=155円で換算
栄光のバラに向かって──米国最長の歴史を誇るスポーツイベント
ケンタッキーダービーの創設は1872年に欧州を歴訪したメリウェザー・ルイス・クラークの英ダービー観戦が端緒となった。フランスジョッキークラブとも交流があったクラークは、アメリカにも大レースを企画するため帰国後にルイビルジョッキークラブを組織。おじのジョン・チャーチルとヘンリー・チャーチルから得た土地に競馬場を整備し、1875年5月17日に1万人の観衆を集めて第1回ケンタッキーダービーの実施に至った。
競馬場は1883年に「チャーチルダウンズ」と呼ばれはじめ、1895年には象徴となる二つの塔を備えたスタンドが完成。その翌年に12ハロンで行われてきた距離が3歳馬には過酷ということから10ハロンに短縮となり、優勝馬のベンブラッシュには白とピンクのバラで作られた花輪が贈られた。1904年には赤いバラが公式花に採用され、1932年にバラの花で彩られたレイ(首掛け)が優勝馬に贈られるようになると、そのメタファーとしてKYダービーは「Run for the Roses」と表現されるようになっていった。
こうしてイベントを充実させていく一方、チャーチルダウンズは財政難に陥ったが、1902年にマット・ウィンがチャーチルダウンズの経営に参画。第1回KYダービーの際に10代の観客だったウィンは、1925年に初のラジオ放送を実現するなどプロモーションに手腕を発揮し、KYダービーを国民的行事へと大きく成長させた。
ウィンの貢献もあって難局を乗り越えたKYダービーは、コロナ禍の2020年こそ史上初、そして唯一の秋(9月)に延期されたものの、2度の大戦や大恐慌の間も途切れることなく今日まで開催され、アメリカの全スポーツイベントにおける最長記録を継続。その決着タイムにちなんで「The most exciting two minutes in sports」(スポーツの中で最もエキサイティングな2分間)と評されるまでになった。
また、KYダービーの創設当時に騎手や調教師、厩務員など競馬の現場で中心的役割を担っていたのは黒人たちで、第1回の優勝馬アリスティデスに騎乗したオリバー・ルイスと調教師のアンセル・ウィリアムソンをはじめ、第28回(1902年)までのうち15回で黒人騎手が優勝。アイザック・マーフィーは騎手として初の連覇(1890、1891年)を達成したほか、1892年のアロンゾ・クレイトンによる最年少勝利記録(15歳)は今も破られていない。
現在に伝わる形式を徐々に築き上げていったKYダービーは、1915年にリグレットが牝馬として初優勝し、1919年にはサーバートンが現在と同じレース間隔の32日間で初の三冠馬に輝く。プリークネスS、ベルモントSとの「トリプルクラウン(三冠)」という言葉は、ギャラントフォックスが達成した1930年に、ニューヨークタイムズ紙が使用したのをきっかけに広まったとされる。それまでダービーの開催は5月中旬が多かったが、1931年に5月の第1土曜日に恒久化され、これによって三冠戦のレース間隔も固まった。
テレビ中継は1949年にローカル放送、1952年には初の全国中継が行われ、KYダービーの注目度は一段と上昇。1964年にレースレコードで優勝したノーザンダンサーは世界の血統地図を塗り替え、1977年に史上初となる無敗での三冠を達成したシアトルスルーの血脈はアメリカの主流として定着、1989年の優勝馬サンデーサイレンスも日本で種牡馬入りすると革命的な成功を収めるなど、現在の競馬界に不可欠ともいうべき影響を及ぼしている名馬を輩出してきた。また、ノーザンダンサーのレコードは1973年にセクレタリアトが更新(1分59秒40)し、現在も最高タイムとして現存している。
2013年のKYダービーを対象とする世代からは、前哨戦のレース毎に割り当てられたポイントの獲得数に応じて出走順位が決まる選定シリーズ「Road to the Kentucky Derby」が導入され、それまでの獲得賞金順から改められた。1995年に日本から初挑戦したスキーキャプテンは米国での獲得賞金がないままフルゲート割れで出走が叶ったが、2頭目のラニ(2016年)はUAEダービー制覇でポイントを獲得しての参戦。2017年のKYダービーを対象とする世代からは「Japan Road to the Kentucky Derby」が新設され、マスターフェンサーが2019年に適用第1号として遠征した。
さらに、2018年には欧州調教馬が対象の「European Road to the Kentucky Derby」も追加となり、2025年のKYダービーを対象とするシリーズで「Euro/Mideast Road to the Kentucky Derby」に再編。UAEダービーが米国版から欧州/中東版に移された。
なお、牝馬がダービー出走を希望する場合も選定シリーズでの得点が必要で、リグレット以降に牝馬の優勝例はジェニュインリスク(1980年)、ウイニングカラーズ(1988年)の2頭しかないが、2013年のシステム導入後は牝馬のダービー出走が途絶えている。出走希望馬がフルゲート(20頭)に満たない場合、残りの枠は産地などの出走制限が設けられていない米国内のレースで獲得した賞金順によって決定するため、得点のない牝馬でも出走可能になる。
これまでに日本調教馬は前記の3頭を含めて計11頭が挑戦。2024年のフォーエバーヤングは3頭一線の激闘を演じて3着に善戦し、5着のテーオーパスワードともども、それまでの日本調教馬による最高着順(6着)を更新した。
| レース日 | 調教国 | 馬名 | 性齢 | 騎手 | 調教師 | タイム |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2025年5月3日 | アメリカアメリカ | ソヴリンティ | 牡3 | J.アルバラード | W.モット | 2:02:31 |
| 2024年5月4日 | アメリカアメリカ | ミスティックダン | 牡3 | B.ヘルナンデスJr. | K.マクピーク | 2:03:34 |
| 2023年5月6日 | アメリカアメリカ | メイジ | 牡3 | J.カステリャーノ | G.デルガド | 2:01:57 |
| 2022年5月7日 | アメリカアメリカ | リッチストライク | 牡3 | S.レオン | E.リード | 2:02:61 |
| 2021年5月1日 | アメリカアメリカ | マンダルーン | 牡3 | F.ジェルー | B.コックス | 2:01:02 |
| 2020年9月5日 | アメリカアメリカ | オーセンティック | 牡3 | J.ヴェラスケス | B.バファート | 2:00:61 |
| 2019年5月4日 | アメリカアメリカ | カントリーハウス | 牡3 | F.プラ | W.モット | 2:03:93 |
| 2018年5月5日 | アメリカアメリカ | ジャスティファイ | 牡3 | M.スミス | B.バファート | 2:04:20 |
| 2017年5月6日 | アメリカアメリカ | オールウェイズドリーミング | 牡3 | J.ヴェラスケス | T.プレッチャー | 2:03:59 |
| 2016年5月7日 | アメリカアメリカ | ナイキスト | 牡3 | M.グティエレス | D.オニール | 2:01:31 |
| 2015年5月2日 | アメリカアメリカ | アメリカンファラオ | 牡3 | V.エスピノーザ | B.バファート | 2:03:02 |
| 2014年5月3日 | アメリカアメリカ | カリフォルニアクローム | 牡3 | V.エスピノーザ | A.シャーマン | 2:03:66 |
| 2013年5月4日 | アメリカアメリカ | オーブ | 牡3 | J.ロザリオ | C.マゴーヒーIII | 2:02:89 |
| 2012年5月5日 | アメリカアメリカ | アイルハヴアナザー | 牡3 | M.グティエレス | D.オニール | 2:01:83 |
| 2011年5月7日 | アメリカアメリカ | アニマルキングダム | 牡3 | J.ヴェラスケス | G.モーション | 2:02:04 |
| 2010年5月1日 | アメリカアメリカ | スーパーセイバー | 牡3 | C.ボレル | T.プレッチャー | 2:04:45 |
| 2009年5月2日 | アメリカアメリカ | マインザットバード | セ3 | C.ボレル | B.ウーリーJr. | 2:02:66 |
| 2008年5月3日 | アメリカアメリカ | ビッグブラウン | 牡3 | K.デザーモ | R.ダトローJr. | 2:01:82 |
| 2007年5月5日 | アメリカアメリカ | ストリートセンス | 牡3 | C.ボレル | C.ナフツガー | 2:02:17 |
| 2006年5月6日 | アメリカアメリカ | バーバロ | 牡3 | E.プラード | M.マッツ | 2:01:36 |
| 2005年5月7日 | アメリカアメリカ | ジャコモ | 牡3 | M.スミス | J.シレフス | 2:02:75 |
| 2004年5月1日 | アメリカアメリカ | スマーティジョーンズ | 牡3 | S.エリオット | J.サーヴィス | 2:04:06 |
| 2003年5月3日 | アメリカアメリカ | ファニーサイド | セ3 | J.サントス | B.タッグ | 2:01:19 |
| 2002年5月4日 | アメリカアメリカ | ウォーエンブレム | 牡3 | V.エスピノーザ | B.バファート | 2:01:13 |
| 2001年5月5日 | アメリカアメリカ | モナーコス | 牡3 | J.チャベス | J.ウォードJr. | 1:59:97 |
| 2000年5月6日 | アメリカアメリカ | フサイチペガサス | 牡3 | K.デザーモ | N.ドライスデール | 2:01:00 |
※2000年以降を記載
※2021年はメディーナスピリット(1位入線、後日失格)のタイムを記載
※2019年はマキシマムセキュリティ(1位入線、17着降着)のタイムを記載
| 年 | 馬名 | 着順 | 性齢 | 騎手 | 調教師 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2025 | ルクソールカフェ | 12 | 牡3 | J.モレイラ | 堀宣行 |
| アドマイヤデイトナ | 19 | 牡3 | C.ルメール | 加藤征弘 | |
| 2024 | フォーエバーヤング | 3 | 牡3 | 坂井瑠星 | 矢作芳人 |
| テーオーパスワード | 5 | 牡3 | 木村和士 | 高柳大輔 | |
| 2023 | デルマソトガケ | 6 | 牡3 | C.ルメール | 音無秀孝 |
| マンダリンヒーロー | 12 | 牡3 | 木村和士 | 藤田輝信 | |
| コンティノアール | 取消 | 牡3 | 坂井瑠星 | 矢作芳人 | |
| 2022 | クラウンプライド | 13 | 牡3 | C.ルメール | 新谷功一 |
| 2019 | マスターフェンサー | 6 | 牡3 | J.ルパルー | 角田晃一 |
| 2016 | ラニ | 9 | 牡3 | 武豊 | 松永幹夫 |
| 1995 | スキーキャプテン | 14 | 牡3 | 武豊 | 森秀行 |