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【世界の騎手紹介 Vol.11】ランフランコ・デットーリ

2018年08月15日 15:00

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世界広しといえどもこれほど華のある騎手はいないだろう。現役でありながら伝説にまで登り詰めた感さえあるスーパージョッキーだ。愛称はフランキー。

英2000ギニーをボルコンスキーとウォローで制し、イタリアで13度もチャンピオンジョッキーに輝いた名手ジャンフランコの息子であるデットーリ騎手は1970年12月15日にイタリアで誕生。14歳で単身イギリスに渡り、ルカ・クマーニ調教師の下で修行を積んだ。その後、15歳のときにイタリアで初勝利を挙げ、クマーニ厩舎のマークオブディスティンクションでG1クイーンエリザベス2世Sを制してG1初制覇を果たした1990年には141勝をマークして、10代のジョッキーとしては英ダービー9勝の名手レスター・ピゴット以来となる年間100勝を達成した。

1994年にドバイのモハメド殿下が率いるゴドルフィンの主戦に抜擢。ドバイミレニアムで制したG1ドバイワールドカップ、サキーで勝ったG1凱旋門賞など100を超えるG1レースをゴドルフィン、あるいはモハメド殿下の所有馬とのコンビで積み重ね、1994、1995、2004年には英チャンピオンジョッキーの座に君臨。1996年9月28日には英アスコット競馬場で1日全7レースを全て勝つという英国史上初の偉業を達成(通称マグニフィセント・セブン)。ブックメーカーに50億円を超える損失を与えたとされる。また2000年6月にはニューマーケット競馬場からグッドウッド競馬場へと移動する際に使った軽飛行機が墜落して、右足首骨折、頭部打撲などの重傷を負ったが、同乗していたレイ・コクレーン騎手に助け出されて九死に一生を得た。

2012年10月には翌年以降のゴドルフィンとの専属契約の解消が発表され、その2カ月後には同年9月にフランスで騎乗した際に行われた尿検査で禁止薬物が検出されたことを受けて、2013年5月まで6カ月間に及ぶ騎乗停止処分が課せられるという非常に苦しい状況に陥ったが、2013年7月にデットーリ騎手の大ファンだったというカタールのジョアン殿下(現在はアルシャカブレーシング名義での所有)と主戦契約を結んだことで再び上昇への足がかりを掴み、同年9月にはトレヴでG1ヴェルメイユ賞を制して復帰後初のG1勝ちを記録。その後も古くからデットーリ騎手をよく知り、デットーリ騎手も父のように慕うジョン・ゴスデン調教師が管理するゴールデンホーンでG1凱旋門賞、G1英ダービー、G1愛チャンピオンS、エネイブルでG1凱旋門賞、G1英オークス、G1キングジョージ6世&クイーンエリザベスS、クラックスマンでG1英チャンピオンSを制すなど大一番で際だった勝負強さを見せている。

英ダービーはオーソライズド、ゴールデンホーンで2勝、凱旋門賞はラムタラ、サキー、マリエンバード、ゴールデンホーン、エネイブルで史上最多の5勝、ドバイワールドCもドバイミレニアム、ムーンバラッド、エレクトロキューショニストで3勝。大レースを勝ったデットーリ騎手がウイナーズサークルで馬からジャンプして飛び降りるフライングディスマウントはすっかりおなじみとなっている。

また、日本でも2002年にはイーグルカフェでG1ジャパンCダート、ファルブラヴでG1ジャパンCを制して2日連続のG1制覇という偉業を達成。ジャパンCは、ファルブラヴのほかにアルカセットとシングスピールでも制しており、計3勝を挙げている。

近年のG1勝ち
2018年:
コロネーションC(イギリス):クラックスマン
ガネー賞(フランス):クラックスマン

2017年:
英チャンピオンS(イギリス):クラックスマン
クイーンエリザベス2世S(イギリス):パースウェイシブ
凱旋門賞(フランス):エネイブル
ヨークシャーオークス(イギリス):エネイブル
ジャックルマロワ賞(フランス):アルヴケール
キングジョージ6世&クイーンエリザベスS(イギリス):エネイブル
愛オークス(アイルランド):エネイブル
英オークス(イギリス):エネイブル
ケープダービー(南アフリカ):イーディクトオブナント

2016年:
BCフィリー&メアターフ(アメリカ):クイーンズトラスト
英チャンピオンズフィリーズ&メアズS(イギリス):ジャーニー
愛セントレジャー(アイルランド):ウィックローブレーブ
モルニー賞(フランス):レディオレリア
ダルマイヤー大賞(ドイツ):エリプティク
セントジェームズパレスS(イギリス):ガリレオゴールド
英2000ギニー(イギリス):ガリレオゴールド

文:秋山 響(TPC)

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