2016年から日本でも海外G1レースの馬券発売が開始され、初回の凱旋門賞は41億円以上もの売り上げを記録。ディープインパクト産駒のサクソンウォリアーやファンシーブルー、ハーツクライ産駒のヨシダなど内国産種牡馬の産駒も各国で活躍し、世界が日本競馬へ注ぐ眼差しも一段と高まった。

また、2010年代は世界の芝・中距離戦線で牝馬が活躍。凱旋門賞を連覇したトレヴやエネイブル、コックスプレートを4連覇した豪州のウィンクスなどそれぞれが一時代を築いた。牝馬強しの傾向は日本馬も同様で、ドバイターフを含む史上最多のG1レース9勝を達成したアーモンドアイ、日本調教馬として初めてコックスプレートを制したリスグラシュー、ナッソーSで19年ぶりの英国G1制覇を果たしたディアドラなどが世界にインパクトを与えた。

さらに2021年の米国の祭典ブリーダーズカップ（BC）でも、牝馬2頭が日本の競馬史に新たな1ページを刻んだ。ラヴズオンリーユーが川田騎手を背にBCフィリー＆メアターフを制し、日本調教馬として初のBC制覇を達成すると、BCディスタフではマルシュロレーヌがダートの本場で金星。ラヴズオンリーユーはこの年、日本馬史上初となる海外G1年間3勝も記録している。